近年、中食(惣菜)市場は成長分野と目され、順調な成長を遂げていたが、2017年も引き続き伸長し、8年連続で市場が拡大、ついに市場規模が10兆円の大台に乗った。女性の社会進出や、少子化・高齢化・少人数世帯の増加という社会変化を背景に、食の外部化比率が高まる中で、家庭内調理の代行として消費者ニーズに応え続けてきたことが市場の拡大につながっている。

日本惣菜協会が5月23日、発刊した『2018年版惣菜白書』によれば、17年の惣菜市場規模は前年比2.2%増の10兆0,555億円となり、初めて10兆円の大台に乗った。同協会の調査によれば、惣菜市場規模は唯一09年、調査開始以来のマイナスとなったものの、その後は再度成長軌道に乗っており、8年連続での市場拡大となった。
惣菜市場規模 2008年と2017年の比較

惣菜市場規模 2008年と2017年の比較

業態別では「CVS(コンビニエンスストア)」が前年比3.7%増3兆2,290億円とけん引し、構成比も0.5ポイント増32.1%と伸長。15年に初めて「専門店、他」(惣菜店、弁当店、給食業者、寿司販売店など)を上回り、トップシェアとなったが、17年の「専門店、他」のシェアは29.0%で、3.1ポイントの差をつけ(15年は0.9ポイント差)、地位を盤石なものとした。

また、17年における惣菜の業態別市場規模を、10年前の08年と比較し、次表にまとめた。惣菜全体もこの10年で22.4%増と大きく伸びているが、「CVS」が54.1%増、「SM(食料品スーパー)」が35.4%増と大きく伸び、市場をけん引してきたことが分かる。「専門店、他」が2.0%増、「GMS(総合スーパー)」が1.1%増とプラスだが、「百貨店」は10.9%減と2ケタ減となった。

10年前と比較すると、惣菜がより身近な業態で買われるようになっており、特にCVSでは、2011年の東日本大震災以降、それまで主要顧客とは言えなかった中高年にも惣菜を購入する層が拡がったと言われ、店舗数の増加もあり、多くの人にとってより身近な存在となっている。さらに、通常の弁当、惣菜類に加え、独自PBによる袋物惣菜の市場開拓、カウンター商材の充実など、品揃えの充実も市場拡大に繋がった。さらに、近年はイートインコーナー設置による外食需要の取り込みもあり、単なる「中食」ではなく、外食のファストフードにも接近している。

かたやSMも17年は前年比3.1%増2兆6,206億円、構成比も0.3ポイント増26.1%と伸長している。特に有力企業で惣菜を充実させる動きがあり、好調な企業では売上高の惣菜構成比30%を目指し、メニュー開発に力を入れるようになっている。人手不足が課題となる中で、セントラルキッチン、アウトパックを導入する傾向が強まる中でも、CVSとの差別化も必要なため、主要メニューは店内調理にこだわったり、夕方にも出来たての商品を陳列したり、調理場を来店客から見えるようにしたりと、ライブ感のある売場づくりで消費者を引きつけている。

〈冷食日報 2018年6月5日付より〉

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