サントリー〈天然水のビール工場〉京都ブルワリーをリニューアル(2・完)

〈ガイドツアーではビールの製造工程を見学〉
「サントリー〈天然水のビール工場〉京都ブルワリー」のガイドツアーでは、案内係と一緒に素材選び、仕込、発酵、貯酒、濾過、パッケージングの順序で見学し、ビールの製造工程や「ザ・プレミアム・モルツ」のこだわりの製法を紹介する。

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素材選びでは、欧州の麦芽全体のわずか4%ほどしかないダイヤモンド麦芽をはじめ、こだわりの素材について詳しくパネルで展示している。

ダイヤモンド麦芽(左)とアロマホップ(右)

ダイヤモンド麦芽(左)とアロマホップ(右)

こだわりの素材についてパネル展示

こだわりの素材についてパネル展示

仕込工程では、「ザ・プレミアム・モルツ」の2つのこだわり製法である「ダブルデコクション製法」と「アロマリッチホッピング製法」について、映像で醸造家による解説が行われる。前者は、麦芽本体の旨みと深いコクを引き出すための製法。麦汁の温度を上げながら、仕込釜で一部の麦汁を2回煮出すことで、濃厚な麦汁をつくるもの。後者は、華やかな香りと良質な苦みを実現するため、煮沸の際、開始直後はアロマホップのみを使用し、仕上げにファインアロマホップを投入する製法。同工程に必要なろ過槽、煮沸釜、仕込釜など8つの設備を間近で見学することも可能だ。

仕込で完成した麦汁を屋外のタンクに移して発酵させる

仕込で完成した麦汁を屋外のタンクに移して発酵させる

発酵は、仕込で完成した麦汁を屋外のタンクに移し、酵母で発酵させる工程となる。麦汁をビールに変えるにあたって重要となる酵母は厳選されており、酵母が元気のいい状態を保つため、人の手によって24時間体制で管理している。約7日でアルコール5%の若ビールとなる。

貯酒は、発酵が終わった若ビールを低温で熟成させる工程

貯酒は、発酵が終わった若ビールを低温で熟成させる工程

貯酒は、発酵が終わった若ビールを低温で熟成させる工程だ。この工程では人間の五感が重要な要素となり、醸造家の腕の見せ所となる。醸造家の検査に合格したものだけが、「ザ・プレミアム・モルツ」として世の中に出ていくことになる。ろ過は、熟成を終えたビールからオリや役目を終えた酵母を取り除き、最高においしい状態で届けるための工程で、巨大なろ過装置が設置されている。パッケージングは、完成したビールを缶や瓶、樽などの容器に詰める工程となる。缶製品は、ビールの注入前後で炭酸ガスによって酸素を追い出してから、缶の蓋を巻締めている。

水滴が機械に落ちるのを防ぐため、天井には傾斜がつけられている

水滴が機械に落ちるのを防ぐため、天井には傾斜がつけられている

天井には傾斜がつけられている。その理由は、熱水で洗浄を行うため、天井に水蒸気が付着し、それが機械に滴り落ちるのを防ぐためだという。傾斜があることで、水滴が奥の壁を伝う仕組みにしている。瓶製品は、瓶詰機でビールを詰めた後、瓶についたビールを洗い流し、乾いてからラベルを貼付。中に異物が入っていないか、瓶の割れがないか、人間が目視によって確認している。

〈酒類飲料日報 2018年4月5日付より〉

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