〈牛肉の生産・販売経路明確化で需要伸長、鶏肉・豚肉の加工需要を紹介〉
農水省は18日、17年度福島県産農産物等流通実態調査の結果に基づく指導・助言等(一部既報)に関する中央説明会を開催した。開催にあたり井上宏司食料産業局局長が「福島県農産物の調査結果、指導・助言をまとめた。今後の福島県産の販売促進につなげてほしい。福島県産農産物の輸出量・額は震災前よりも増えている。海外からは信頼を得ている。国内では価格面を含め苦戦している。協力して復興に向けていきたい」とあいさつした。

実態調査を3月にとりまとめたもので、牛肉や米など福島県産農産物20品目を対象に事業者調査、消費者調査を実施した。福島県産農産物は全体では、震災前の価格水準まで回復していないが、産地照会は減少しているとした。小売業者では、売れ残りリスクを回避するために、福島県産農産物の取扱いをちゅうちょすることがあり、牛肉や米、高価格帯贈答品では福島県産農産物の取扱いが十分に回復していない。卸売業者では、販売先が福島県産以外を希望していると想定しているため、取扱い減少につながっているとした。

4月末には、生産者団体、卸売・仲卸業者団体、小売・外食・中食・加工業者団体の3業種に向けた調査に基づく指導・助言について通知した。それによると、産地ブランド化を訴求する牛肉や米を中心に、多くの福島県産農産物では、他県産農産物が福島県産農産物に代わって販路を占め、震災後7年という時間の経過と相まって、小売業者をはじめ、関係者が福島県産農産物を改めて取り扱う理由やきっかけが見出しづらい状況が定着しているとし、指導・助言を行っている。

生産者団体向けの助言では、調査に基づく優良事例として、〈1〉牛肉について、生産した子牛を特定の肥育農家に委託して肥育し、連携する福島県内の精肉商を中心に販売することで、生産から販売までの経路が明確になり、顔の見える関係を構築し需要が伸長した〈2〉鶏肉では加工需要の高まりを踏まえ、加工業者への販売が増大〈3〉豚肉では放牧した豚をブランド化し、加工品の消費者への直売を開始した事――を紹介している。

卸売・仲卸業者団体に向けては、〈1〉取扱商品に関する産地の指定に過剰に配慮することなく、他県産農産物と福島県産農産物とを対等に比較し商品選択をすること〈2〉小売業者のバイヤーなどに対し、現在流通している福島県産農産物が徹底した放射性物質のモニタリング検査を経て安全を確認し、風評被害の払しょくに向けて関係者が一層努力することが重要である旨を説明すること――を助言している。

小売・外食・中食・加工業者団体に向けては〈1〉消費者、関係事業者から照会があった場合、その都度説明し、必要があれば国などから説明に必要な事実関係や資料の提供を行うこと〈2〉福島県産であることのみをもって取り扱わない、買い叩きをすることのないようにすること――を指導している。

〈畜産日報 2018年5月22日付より〉

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