〈農場訪問〉吉野ジーピーファーム(4) 豚舎管理の特徴

清掃が行き届いた育成舎
中津川農場では、隣棟間隔を確保した配置がなされ、施設内は大きく分けて〈1〉管理棟・資材庫・消毒ゲート〈2〉繁殖豚舎・離乳子豚舎〈3〉肥育舎・浄化槽・堆肥舎――の3つのエリアによって金網フェンスで区分けされ、入場制限をすることで衛生面と作業効率の両面を配慮したゾーニングがなされている。

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また場内にはアスファルトを敷設、勾配をつけて清掃や排水しやすいようにしている。アスファルトを打つことによる暑熱に対しては換気量を増やすことで豚舎のクーリングを行っている。敷地の周囲はイノシシや野良猫の侵入を防ぐため金網とネットを張り巡らしている。ハエやネズミの侵入にも気を付けており、定期的に駆除に努めている。

入場の際には、予定者の3日前までの行動計画と同社の防疫ルールを遵守することを宣誓した農場入場計画を提出する。とくに防疫のルールでは、ほかの養豚場・と畜場、豚の関連施設の出入りがあった場合、最低72時間以上の防疫時間を取ることを規定しており、同社スタッフも高山農場と中津川農場を行き来する際には、充分注意を払ってから農場に入るよう徹底している。

出荷トラックは、と畜場、ガソリンスタンド、そして農場の出荷デポで計3回、入念に洗浄消毒を行っている。逆に出荷豚の積み込みに際しては、決してドライバーをエリアに入らせず、すべてスタッフのみで行う。1回の出荷で概ね30~40分程度時間を要す。飼料配達車も専用の長靴に履き替えてもらい、タイベックスつなぎを着用してもらい消毒してもらっている。

このほかインフルエンザが流行した時は、毎朝スタッフは検温チェック表に記入して、体調の悪い人には休んでもらうようにしているという。

〈この項、続く吉野ジーピーファーム(5) 地元生産者との連携で地産地消の取組み

種雄豚のDB

種雄豚のDB

〈畜産日報 2018年6月27日付より〉

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