〈5月は弱保合で和去A5は2,750円、A3は2,250円前後か〉
最大10連休となった大型連休に向けて、4月の枝肉相場は上昇に転じると見込まれたが、和牛の各等級で3月を下回る結果となった。その一方で交雑種は30円前後上昇した。もともと大型連休は和牛ではなく交雑種や乳用種の需要が盛り上がる時期であること、今期は特に長期の連休になり消費が読みづらいため在庫リスクから交雑種や輸入牛肉にシフトしたこと、さらに生産者の高値期待もあって出荷頭数が多かったことが要因とみられる。

大型連休の販売状況は、帰省先の地方では好調、首都圏では帰省、旅行の影響を受けたものの、ほぼ想定した通りだったといわれる。ある首都圏の量販店では、改元前は、年末のような雰囲気でごちそう(高価な総菜、和牛薄切り)が売れたものの、1日、2日は連休の中だるみで動きが鈍かったという。後半は、和牛より輸入牛肉が好調だった。販売アイテムは、牛タン、ハラミなど輸入牛肉の焼肉セット、和牛は薄切りとモモ・バラなどの焼肉セットが良かったという。

5月は、大型連休の反動で消費者の財布のひもは固くなり、牛肉消費が大きく伸びることは考えづらい。ただし、連休明けは在庫が少なく補充買いが入ることで、後半に向けて徐々に下げるものの、下げ幅は小さいと見込まれる。さらに東京市場では、4月に出荷頭数が多かった反動で5月の出荷が少なく、5月の和牛相場はトレンドとしては下降も、ある意味で底堅く、横ばいからわずかな下げにとどまると見込まれる。また、交雑種は、同様に出荷が少なく、日によって上下はあるものの、ほぼ現状の高値を維持する見通し。このため和去A5は2,750円前後、A3は2,250円前後、また交雑B2は1,550円前後とみられる。

4月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税込み)をみると、和去A5が前月比35円安の2,765円、A4は43円安の2,433円、A3は16円安の2,262円、交雑去勢B2は36円高の1,531円、乳去B2は19円高の1,088円と、和牛は各等級で低下、交雑は上昇した。

なお、前年比でみると、和去A5が67円安となった。前月に続き前年割れとなり、下げ幅も拡大してきた。ただ、A3は105円高、、交雑B2は242円高と、3等級以下は依然として前年を大きく上回っている。

5月の生産見通しは農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数で0.5%減(1日当たりでは0.8%増)の8万2,700頭が見込まれる。品種別の出荷頭数は、和牛は3.9%増の3万5,700頭、交雑種は4.2%減の1万9,300頭、乳用種は3.0%減の2万6,400頭が見込まれる。和牛は前年を上回るものの、交雑種、乳用種は減少幅が大きくなっている。輸入牛肉(チルド)は同機構の予測では、4月の輸入量は1.1%増の2万5,400t、5月は7.6%減の2万3,000tで、4月は10連休向けの手当てで前年を上回る一方で、5月は連休明けの需要減退で減少すると見込んでいる。

10連休の販売は、高速道路の渋滞でもわかるように、多くの消費者が旅行、帰省などを行い、地方のスーパーが好調だった。ただ、首都圏でも極端に売上げが落ちる状況ではなく、ほぼ想定通りの販売となった。前半、後半では、国産関連は前半、輸入牛肉は後半にそれぞれ販売が好調だった。首都圏のスーパーに聞くと、前半、特に改元前は年末のように、ローストビーフなど高級総菜、さらに和牛の薄切りの動きが良く、5月1~2日は鈍かったものの、後半の5日は輸入牛肉の焼肉セットが売れたとしている。前半は、和牛薄切りが足らず、切り落としで何とか対応した。売れ残った場合のリスクを勘案し、高値の和牛を若干絞ったことが要因だが、「過去に例のない10連休で販売予想と発注が難しかった」と話している。後半については、輸入のタン、ハラミのセットが好調だった。

連休明けについては、例年通り連休の消費疲れの反動で需要は縮小することが見込まれる。

ただ、和牛の相場については、連休明けからの稼働(各市場で6日と畜などの対応はあるが)であり、稼働日数が少ないこと、連休明けに補充買いが入ることで前半は底堅く、後半は下げるものの、平均価格では大きな下げは考えづらい。さらに、4月に前倒しで出荷頭数が多かった反動で5月の出荷が少ないとすれば下げ幅はさらに圧縮されると考えられる。そのため、5月の相場は和去A5で2,750円前後、同A3は2,250円前後、交雑B2で1,550円前後、乳去B2は1,050円前後とみられる。

〈畜産日報 2019年5月9日付〉