全パン連(全日本パン協同組合連合会)は25日、第62回通常総会を開いた。今回、西川隆雄会長は欠席。桑野龍一副会長が開会の挨拶をした。会員数は1減(徳島県製パン協同組合)の52組合。賛助会員は2増2減の42社となった。

2017年度事業報告では、「業界として多くの課題があり、学校給食のパンは減り、廃業するメンバーも増えている。リテイルべーカリーの状況としては、CVSやSMでも安売りの影響がある」等と報告した。また、全パンビルは解体し、跡地の利用方法が決まるまで、当面は駐車場として貸し出す。

2018年度事業計画では、継続事業に加え、2019年2月のモバックショウ内で、第4回ベーカリー・ジャパン・カップの開催を予定する。

〈未来構築委員会〉
川島弘士副会長が報告。「昨年12月に開始した委員会。このままでは学校給食パンはなくなってしまう。現在は学校給食パンを週2回に増やすことを目標にしている。パン給食についてのセミナーを開き、食育の観点からの普及も検討している。全パン連だけでなく日本パン工業会(飯島延浩会長=山崎製パン(株)社長)の飯島会長にも相談した。飯島会長からは『パン業界だけでなく、製粉や油脂業界にも協力してもらわなければいけない』と話があり、元日清製粉(株)社長の新倉英隆氏を紹介いただいた。新倉氏からは『誰をターゲットにするのか明確にした方が良い』とアドバイスを受けている。パン技術研究所の井上好文先生からも『広く行うにはかなり周到に準備が必要』と指摘された。そこで、会員とつながりのあった岐阜で、岐阜大学、給食会と連携した動きをモデルケースとすべく動き出している」。

〈HACCPへの対応〉
パン業界では“B基準”で進めることは決まっている。それと別に、学校給食では学給衛生基準がある。その整合性について、厚労省を通して文科省に確認した。学級衛生基準の衛生管理は厳しく設定されているが、最終形のパンを納入する事業者には適用されない。文科省から厚労省に「基準Bで進めて問題ない。文科省から上乗せで衛生管理の実施を求めることはない」との返答を得た。既に手引き書の作成は進んでおり、これから小規模事業者、中規模事業者で2週間の実証実験をして最終版を作っていく。衛生管理はこれからどんどん厳しくなる。良い機会と捉え、業界を挙げて取り組んでいることをアピールすべき。

また、炊飯も行っている事業者が多く、ここも確認を進めている。日本炊飯協会が定める炊飯HACCPでは、クリーンルームの設置などハード面の投資が必要。1,000万円とか2,000万円かかる。最近では炊飯HACCPを持つ炊飯事業者が学校給食への供給を行う例が出てきた。北海道では函館、道央、釧路の3か所、関東ではミツハシライス、関西でもそういった話がある。

ただ、学校給食の米飯はその日に炊いて、その日の昼には食べてしまう。日本炊飯協会には学校給食に限定したHACCPをもらえないかお願いしており、「前向きに捉えてやってきたい」との返答をもらっている。その上で、製パンと炊飯を同一工場で行っている場合、アレルギー対策としての仕切りが必要になることや、現場の視察は最低限必要である旨を聞いている。夏の全国理事長会には専門委員に来てもらって話を聞きたい。

総会後の懇親会で挨拶した(一社)日本パン工業会の飯島延浩会長は、「学校給食パンはパン食の普及に寄与してきた。一方、昭和54年に米飯給食が始まってから約40年。様々なことはあったと思うが、現実の課題としてパン給食は減った。現在のパン給食は平均で週1.3回。地域によっては1回を下回る。全パン連、日本パン技研、日本パン工業会の取り組みだけでは不十分。製粉、油脂、フラワーペースト、製パン機会といった関連業界でパン食についての食育や食文化の情報発信を行い、幅広い理解を得たい」とした。

来賓挨拶したパン産業振興議員連盟の渡海紀三朗幹事長は、「自民党で食育の話になると、10人集まっても米一色になってしまう。『とにかくお米にしよう』と、それでは間違っている部分もある。キチンとした理屈で理解を求めていきたい」とした。

〈米麦日報 2018年5月29日付より〉

【関連記事】
・〈日本パン工業会総会〉飯島延浩会長が12期目に、副会長・専務も続投/「パンと米飯のバランスの取れた学校給食を」
・ユーザー業界の課題解決に貢献する機械開発を=日本製パン製菓機械工業会
・2019モバックショウ、「つながる技術、広がる美味しい笑顔」=製パン製菓工
・全日本パンフェスティバル盛況=全パン連・パン食普及協