消費者庁が19日都内で開いた、GMO表示制度検討会の報告書説明会では、公定法が決まる時期や、制度改定の時期などを質問したが、同庁側は「状況を見て検討していく」と回答するなど、依然未定との見解を示した。

はじめに同庁担当者が、Non-GM 食品表示について現行制度を厳格化し、「不検出」を条件とすることなど、報告書に基づいて説明した。 次に質疑応答に移り、学識経験者は「新制度は社会的検証を軽んじている。原料段階のトレーサビリティにより、科学的検証でDNAが確認できなくても、社会的検証で確認できるはず」と述べ、義務表示対象品目の拡大を求めた。

これに対して消費者庁は「現在は社会的・科学的検証を組み合わせて実施している。トレーサビリティは任意の取り組みになり、制度に組み込むには法律を作る必要がある。またトレーサビリティは国内のみでしか効力を持たないため、海外製品の証明ができない。従って科学的検証が必要になる」と答えた。次に日本フードサービス協会の担当者は「最終検討会で示された混入率5%以下の表示は、消費者にとって分かりにくい。GM・Non-GM農作物使用割合を明記する表示は可能なのか」と質問した。

消費者庁は「表示例はあくまで例になる。割合表示は禁止されない。仮に1%以下など厳しくした表示をした場合に、超えてしまった時に違反になってしまい、注意が必要になる。検討会では、具体的な数値を表示例とするのは、行政文章上難しいとした」と答えた。ミツカンの担当者は「新公定法の時期は未定だが、改定時期はいつごろを予定しているか」と質問した。

消費者庁は「改定時期は現状では答えられない。事業者が準備できるだけの期間は設けたいが、状況を見て検討していく。極端になるが公定法が決まり、1年後に変えてくれとはならないようにはしたい」と答えた。

次に北海道で飼料を販売する、タイセイ飼料の担当者は「Non-GM飼料も改正に合わせる必要があるのか。また飼料は加工度が高く、国内分析では検出できないが、フランスでは加工していても分析ができる。検査機関による誤差はどのように改めるのか」と質問した。

消費者庁は「今回の検討会はあくまで食品表示になる。ただし酪農・畜産物もNon表示がされれば、不検出だと理解する消費者もいる。食品表示基準ではなく、おそらく景品表示法のちゅうになるはずだ。その場合はNon-GMOの意味合いを表示する必要がある。不検出の担保は、機械や人による差が出るものでは運用ができない。ばらつきのない検査方法を検討していく」と答えた。

食品産業センターの武石徹部長は「新制度ではNon表示の意味が変わる。新旧制度が混在すると、消費者も事業者も混乱する。施行後直後に適用ではなく、一定の周知時間を設けた上での適用を要望する」と述べた。消費者庁は「市場で混乱が生じないように取り組む必要があると考えている。事業者、消費者が準備できるように制度をスタートできるように検討している」と述べた。

〈大豆油糧日報 2018年4月23日付より〉

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