日清オイリオグループは21日、決算記者説明会を本社で開き、久野貴久社長が、現中期経営計画(17~20年度)の進捗状況と18年度の経営施策などを説明した。

久野社長ははじめに18年度施策の基本姿勢について、「前年度は油価改定の成果を十分得ることができなかったが、18年度はこれをしっかりと取り戻していくということ、さらには着実に高付加価値型商品を拡販し、収益を積み上げていくことで、利益目標を実現していきたい。18年度は過去最高益を見込んでおり、『油脂、油糧および加工食品』セグメント(の利益回復)が最大のポイントだ。汎用カテゴリー(の収益)は少なくとも16年度の水準に戻すことが必要だろう。足元の状況からすれば達成可能と考えている。そうした流れにあって、20年度目標の営業利益130億円、ROE(自己資本利益率)7.0%は見直すことなく進めていきたい」と述べた。

〈「油脂、油糧および加工食品」セグメントの収益回復がポイントに/久野社長〉
その上で久野社長は18年度経営方針について、グローバル化と多様な付加価値化型のビジネスモデルの追求、国内油脂事業の安定収益獲得に向けた施策と一層の効率化に取り組むことを掲げた。補足する形で「ベースになるのは付加価値化型ビジネスの育成だ。13年度の付加価値カテゴリーの利益を100とすると17年度は130となっており、18年度には138、そして20年度には165まで高めていきたい」と述べた。

さらにセグメント別の取り組みポイントとして、△油脂、油糧および加工食品=「かけるオイル」の販売拡大と市場活性化、△加工油脂=投資メリットの獲得とサプライチェーンの強化、△ファインケミカル=国内外で拡大する需要への対応――を挙げた。

具体的には、「かけるオイル」販売拡大の取り組みでは、「当社の試算では13年度の『かけるオイル』市場規模は200億円弱とみているが、それから年率で11%成長しており、20年度には2倍の400億円規模に拡大を図りたい。今春は新たに『日清マカダミアナッツオイル』を発売し、品ぞろえを拡充しており、5~6月にかけてはトマトジュースとのコラボ提案を行っている。このような着実な取り組みを進めながら、市場規模拡大と当社の実績を高めたい」と述べた。

加工油脂事業では、△ISF社精製設備増強(マレーシア、19年度上期完了予定)、△大東カカオチョコレート増産設備(18年度下期完成予定)、△横浜磯子工場・加工油脂設備老朽化対応(同上期完了予定)、△インドアグリ・ダイトウカカオ新工場(インドネシア、19年度事業開始)――といった先行的な設備投資を行っていることを説明した。また、ISF社の欧州における拠点獲得については、イタリアの油脂精製企業の経営権取得に向けて交渉しており、近々正式発表ができるとの見解を示した。

このほか、ファインケミカル事業では、アジアでの化粧品市場の拡大が続いていることを受けて、横浜磯子工場の化粧品原料、MCTの増産投資を行うことなどに言及した。

ヘルスサイエンス分野では、結晶性油脂の事業化に向けてテスト販売に向けた取り組みを行うほか、MCT(中鎖脂肪酸油)については運動・美容に焦点を当てた商品投入と宣伝広告を行っており、18年度は加工用・業務用など展開領域の拡大を図る考えを示した。

なお17年度の決算概要(売上高は前期比4.0%増の3,379億9,800万円、経常利益は10.2%減の92億7,600万円)については、国内油脂販売の売上増や、パーム油相場高に伴うISF社の売上増により増収だった一方で、減益要因として菜種搾油のコスト上昇を十分吸収することができなかったことなどを挙げた。

〈大豆油糧日報 2018年5月23日付より〉

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