ADEKAは25日、東京都荒川区の本社で決算説明会を開催し、17年度業績、18年度事業施策、前中期経営計画「ステップ3000-Ⅱ」の振り返りに加え、18年度を初年度とする中期経営計画「ビヨンド3000」を発表した。

17年度業績は、売上高が前年比7.2%増の2,396億円、営業利益が1.4%増の213億円で着地したと報告。郡昭夫社長(6月22日に会長に就任予定)は、「売上高、営業利益、経常利益、純利益ともに3期連続で過去最高を更新し、6期連続の増収増益を達成した。売上高は化学品、食品ともに販売が好調に推移し、増収となったが、営業利益は原料などのコストアップの影響や、積極的な設備投資による固定費の増加で微増に留まった」と概況を説明した。

食品事業は、売上高が5.2%増の698億円、営業利益が38.0%減の13億円だった。「国内では、製パン、製菓、洋菓子向けにマーガリン、ショートニング類、ホイップクリームなどの販売が好調に推移した。海外では、販売・開発体制の強化と現地ニーズに合った製品の開発などにより、中国、東南アジアでの販売が拡大した」とする。一方で、「食品事業全体で油脂や乳原料など原材料価格上昇の影響を大きく受け、販売価格の改定に努めたが減益となった」と述べた。

18年度の連結業績は、売上高は8.1%増の2,590億円、営業利益は3.6%増の221億円を見込む。このうち食品事業は、売上高は5.9%増の740億円、営業利益は22.6%増の17億円を計画する。国内施策については、「製パン、製菓、洋菓子市場で戦略製品、新製品を拡販し事業基盤を強化すると同時に、品種統合や生産効率化などを推進し収益性の改善に努める。また、機能性素材の用途開発による拡販を目指す」とした。

海外は「中国で新規顧客の開拓とマーケティングの強化を図るとともに、シンガポールで設備増強した加工品の拡販、マレーシアで重点顧客への販売を強化し、事業規模、利益ともに拡大させる」とした。海外売上比率については、17年度は42.3%となり、18年度は44.0%まで高めたいとした。

前期が最終年度の中期経営計画「ステップ3000-Ⅱ」は、売上高、営業利益、海外売上高の目標数値は未達となったが、「期間中、増収・増益トレンドを継続することが出来た」と総括した。食品事業では、具体的な施策として、中国で加工食品製品の製造ラインを増設した。一方、売上高の計画との乖離要因としては、「国内では練込油脂、チョコレート用油脂などの販売数量が未達となった。東南アジア子会社の体制構築は進捗したが、販売数量は伸び悩んだ」と報告した。

〈練込・折込油脂、ホイップでシェア拡大図る、中国・東南アジア展開も加速〉
新中期経営計画「ビヨンド 3000」は、2020年度までに売上高3,000億円超、営業利益率10%、ROE10%、3か年で投融資1,000億円(設備投資500億円、M&A500億円)、配当性向30%--を経営目標としている。

設備投資には、艾迪科食品(常熟)有限公司の新製造棟建設、能力増強(今年度中に完成予定)が含まれている。戦略は、樹脂添加剤、化学品、食品を3本柱とし、戦略製品の販売をグローバルで拡大する。このうち食品は、売上高860億円を計画。パン、菓子、洋菓子向けのマーガリンやショートニングなどの練込・折込油脂、ホイップクリームなどの加工食品の販売強化によるシェア拡大を図るほか、新製品比率アップとコスト削減で利益向上を図り、国内基盤を強化する。また、中国、東南アジアで練込・折込油脂、ファットスプレッド、フラワーペーストなどの販売促進による売上倍増を目指し、海外展開を加速させる。

6月22日付けで新社長に就任する城詰秀尊取締役常務執行役員は、「中計の推進・達成に向けて鋭意努力していく。鮮度の高いものは高いうちにしっかりと販売し、息の長いものはきっかり稼ぐことができる構造を意識しながら進めていきたい」と述べた。

〈大豆油糧日報 2018年5月29日付より〉

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