世界初「植物性培養フォアグラ」日本で誕生、カシューナッツを麹で発酵、“ガチョウのレバー”の味わいに/ドクターフーズ
世界で初めて、植物素材から作ったフォアグラが日本で誕生した。代替肉の開発、販売を手掛けるネクストミーツのCFO、石塚孝一氏が社長を務める、Dr.Foods(ドクターフーズ、東京都新宿区)が、1年半の開発期間を経て、フランス人生物学博士のグイヨネ・アレクシ氏と、食品工場として64年の歴史があるマーマフーズ(岩手県花巻市)の協業によって「植物性培養フォアグラ」の開発に成功した。
Dr.Foods・石塚孝一社長
パテタイプのフォアグラ(450円税別)と、焼いて食べることができるフォアグラ(690円)の2種類をそろえ、7月2日にサステナブルなレストランWAYBACK BURGERS表参道店で発売した。
6月28日に開いた製品発表会見で、石塚社長は、「当社は大阪大学と培養肉の共同研究の契約を締結している。日本では培養肉の販売は法的に認められていない。製造・販売できるのはシンガポールだけとなる。来月にはシンガポールに支社を作って、培養肉の製造に入っていきたい。フォアグラの生産方法には虐待の疑いもあることから、培養肉を考えたが、日本では販売ができない。そこで、植物性で再現して販売することを決めた。WAYBACK BURGERSでは植物性培養フォアグラを使った完全植物性の『NEXTフォアグラバーガー』(単品1800円)をまずは日本で発売する」と述べ、今後の展開にも期待を込めた。ハンバーガーのパテにはネクストミーツの代替肉が使用されている。
開発に携わったグイヨネ・アレクシ氏は、開発の経緯について説明し、「日本の発酵技術を参考にしながら、ガチョウのレバーに近い味を実現できた。カシューナッツを麹で発酵させることで、うま味を出すことができた。発酵させることでナッツの味が消えて、動物的な味わいを作り出せた」とした。
今後は、売れ行きを見ながら、海外での販売体制も整えて、シンガポールだけでなく、ヨーロッパでの販売も計画しているという。
〈大豆油糧日報2022年7月6日付〉