アメリカ大豆輸出協会が「米国産大豆ミールセミナー」開催 / ミールの飼料配合比率高めるインセンティブ、合成アミノ酸価格高騰も
アメリカ大豆輸出協会(USSEC)は24日、都内でオンライン併用の「米国産大豆ミールセミナー」を開催した。カルロス・サリナス東アジア担当エグゼクティブディレクターによる「アメリカ大豆及び大豆ミールの需給と輸出見通し」など3つの講演が行われた。
サリナス氏の講演では、大豆ミールの世界需要が中国を筆頭に畜産市場の拡大で増加していることが示された。足元ではリジンなどの合成アミノ酸の価格高騰を受け、飼料原料の中で価格が下がっている大豆ミールの配合比率を高める経済的インセンティブが働いていると説明。大豆ミールについては粗たん白質の数値だけでなく、品質の均一性や消化性といった多角的な視点で評価することの重要性を強調した。米国産の大豆ミールが総合的な品質で高い競争力と優位性を持つことをデータの裏付けとともに紹介した。
セミナーの開催にあたって立石雅子日本副代表は、「米国産大豆・大豆ミールは長年にわたり、日本の飼料、食品業界を支えてきた。私たちが届けているのは原料だけではなく、その背景には安定した供給、高い品質と栄養価、地球環境に配慮した持続可能な生産という価値がある。この3本柱を軸に、米国大豆の今とこれからを3人の各分野のエキスパートが説明する。セミナーを通じて米国産大豆と大豆ミールの価値を改めて実感してもらい、それぞれの現場で役立てて欲しい」と話した。
オンラインで講演したサリナス氏は最初に、干ばつに見舞われている大豆生産地の割合は5月26日時点では27%と、24年の3%、25年の17%に比べて増加傾向にあると報告した(図)。
6月9日時点の最新データでは25%へと2ポイント改善が見られるという。「生産者と話すと作柄は良好のようだ。8月に干ばつが重なると注意が必要だが、緊急対応が必要というわけではない」と話した。
大豆の世界全体の生産量について、22/23年の3億7,266万tから、23/24年は6.2%増の3億9,583t、24/25年は4億2,565tと増加してきたが、25/26年はほぼ横ばいの4億2,700万tと、「伸び方は減速しており、供給の伸びはこれまでのようにはいかない」と述べた。
一方、大豆ミールの世界の輸入量は増加しており、23/24年度から25/26年度の2年間で世界需要は約3,150万tと大きく増加した。中国を筆頭に、EU、米国、ブラジル、インドネシアなどの畜産市場がけん引している。飼料配合の変化も大きく影響しているという。主要な飼料原料の価格がこの1年スパンで大きく上昇している中、大豆ミールは価格が下降していることを示した。リジンなどの合成アミノ酸の価格が高騰していることも大豆ミールの需要増につながっているという。「採算性が悪化し、同じ量の畜肉の生産により多くの飼料が必要になる」と解説した。これらの代替原料が割高になること、大豆ミールの配合比率を高める経済的なインセンティブとなっていると説明した。
〈米国産大豆ミール、品質の均一性や消化性といった多角的な視点で競争力と優位性〉
世界の大豆ミールの需要については今後10年(24~34年)で、約2,400万tの増加が見込まれているという。そのうち、約1億4,000万人が都市部に移住する中国では食料需要が拡大し、8,127万tから1億523万tに増えるとされている。南アジアは2,496万tから3,626万tに、日本を含む北東アジアは576万tから608万tにそれぞれ増加すると見込まれている。
また、大豆ミールの品質について、米国、ブラジル、アルゼンチンの産地別に比較分析した。一般的な指標とされる粗たん白質含有量はブラジル産が最も高いが、米国産は標準偏差が小さく、最も品質が安定していることが示された。粗たん白質の数値だけでなく、品質の均一性や消化性といった多角的な視点で評価することの重要性を強調し、米国産の大豆ミールは総合的な品質でブラジル産、アルゼンチン産よりも高い競争力と優位性を持つことをデータで示した。
〈大豆油糧日報 2026年6月25日付〉







