味の素冷食「黄金炒飯」、玉子炒飯の名店「兆徳」が監修 冷凍技術で引き算の美味しさを「翻訳」

「黄金炒飯」
「黄金炒飯」

味の素冷凍食品は7日、今秋の新製品「黄金炒飯」の開発秘話や製品特徴を紹介する試食・説明会を東京・銀座の本社で開催した。特別ゲストとして、同品を監修した玉子炒飯の名店「兆徳」店主の朱徳平氏も招いた。

説明会では冷凍米飯市場の環境や同品開発の背景などについて、同社リテール製品戦略グループの森一将氏が話した。近年、米価高騰などを背景に冷凍米飯の利便性が再認識され、需要の拡大が続いている。物価高騰が続く中で外食を控える内食の傾向が強まっていることも追い風となり、2018年度から 2025年度までの7年間で、同カテゴリーの市場規模は約 30%増と伸長しているという。

「兆徳」店主の朱徳平氏、味の素冷凍食品の森一将氏
「兆徳」店主の朱徳平氏、味の素冷凍食品の森一将氏

これを牽引しているのが冷凍炒飯だが、現在の売り場には食べ応えやボリューム感を特徴とした、濃い味付けの商品が多く並ぶ。同社が実施した調査によると、濃い味付けよりもあっさりと上品な味わいを好むという生活者が約35%存在することが判明した。その一方で、実際の売り場においてあっさりとした味付けの炒飯商品が占める割合はわずか約 10%にとどまっており、生活者が求めるニーズと商品展開の間に大きなギャップが生じていたとする。

このギャップを埋めるため、同社はあっさり上品でありながらしっかりと満足感が得られる、王道の玉子炒飯の開発に着手した。その味わいを実現するにあたり、玉子炒飯で全国的な知名度を誇り、行列の絶えない東京・本駒込の中国料理店「兆徳」に技術監修を依頼した。

説明会では、兆徳の店主の朱徳平氏も登壇。開発担当者が同店のファンとして通い詰め、熱意を伝えて監修が実現したという。朱氏は同店の炒飯について、米と玉子、ネギといったシンプルな具材を用い、強い火力により約1分という短時間で一気に仕上げる点に特徴があると話した。森氏は、世の中に流通している多くの炒飯が、具材やタレを加えて豪華さやこってり感を出す「足し算」の美味しさを追求しているのに対し、兆徳の炒飯は、余計なものを削ぎ落とすことで素材の味が素直に引き立つ「引き算」の美味しさだという。開発にあたっては、この引き算の極意をいかにして冷凍炒飯で表現するかに注力したという。

開発工程における最大の課題は、店舗と家庭の調理環境の違いをどう乗り越えるかだったという。兆徳では高温の鍋で一皿ずつ仕上げるが、冷凍食品は工場で製造・凍結し、消費者が家庭の電子レンジなどで再調理をして完成する。調理環境が全く異なる以上、店舗と同じ作り方をそのまま再現するだけでは、美味しさの本質を届けることは難しい。

そこで同社が導き出した答えが、味の「再現」ではなく「翻訳」というアプローチだったという。兆徳の玉子炒飯をそっくりそのまま模倣するのではなく、引き算による上品な美味しさを冷凍食品ならではの技術を活用して形にする手法をとった。具体的には、中華料理店の高温の鍋で炒めた時のような食欲をそそる香りを生み出すため、特製の香味油を独自に開発。ふっくらとした米と玉子の食感、独自の調味料による満足感のある味わいを両立させた。試作段階では朱氏も何度も試食を重ね、味が薄い、あるいは塩辛いといった試行錯誤を経て、最終的に納得のいく品質に仕上がったそうだ。

○兆徳店舗が 24時間限定で「裏兆徳」に、想定上回る 500人来場

「黄金炒飯」はすでに8月9日に販売を開始しており、その発売を記念した企画として、9月7日の 17時 30分から翌8日の 17時 30分までの 24時間限定で、「兆徳」店舗において「黄金炒飯」を提供する「裏兆徳」がオープンし、平日営業にもかかわらず約 500人もの人たちが来店した。

兆徳店舗が 24時間限定で「裏兆徳」に
兆徳店舗が 24時間限定で「裏兆徳」に

同イベントは、自宅にいながら行列に並ぶことなく、名店監修の玉子炒飯を 24時間いつでも楽しめるという新製品の特徴にちなんで企画したという。期間中はオリジナルのスタッフ前掛けや黄金の炒飯皿、黄金蓮華が用意され、同企画限定の装飾や演出が施された。

当初は試食「黄金炒飯」200g+持ち帰り用冷凍「黄金炒飯」1袋で税込 400円に設定したが、想定以上の来場者による売り切れで一次休業し、その後内容を一部変更して再開したという。

〈冷食日報2026年9月10日付〉

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昭和47年(1972年)5月
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昭和47年(1972年)5月
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