武部新農水大臣「米の需給の安定を図りつつ、新たな水田政策の検討を進める」
15日に農林水産大臣に就任した武部新氏が同日夜、就任会見を行った。
農林水産行政の優先課題について武部農相は「農林水産業は命の産業だ。食料安全保障の確保が一番肝心と思っている。米の需給の安定を図りつつ、新たな水田政策の詳細の検討を進めていきたい。また消費者の理解をもらいながら、農林漁業者が再投資・再生産できる合理的な価格形成を作っていくことも、食料安全保障上大切なことだ。気候変動・環境変化に的確に対応するためにはフードテックを推進していく。農業構造転換をしっかりと進めて、供給力を強化していくということが大きな柱になる」と述べた。
武部農相は冒頭「農水省の最も重要な使命は、国民に食料を安定的に供給することだ。一方で農林水産業を取り巻く環境は、国際情勢の不安定化や自然災害、気候変動等の影響、人口減少や高齢者の引退による農業者の急減など大きく変化している。このような中でも、食料安全保障を強化していくために、国内外の需要拡大を進めるとともに、拡大した需要に対応できるよう生産基盤を維持し、生産性や付加価値の向上を進めることで、供給力を強化する。加えて、温暖化等の環境変化に対応できる植物工場や陸上養殖等への投資を促進する」と述べた。
〈多様な米の“需要に応じた生産”〉
続けて第1に触れたのは米について。「令和9年度からの水田政策の見直しの骨格を取りまとめたことから、現場の意見を丁寧に把握しつつ、今後、支援単価の水準など詳細な制度設計を具体化する。また、政府備蓄米の買戻しについては、食料安全保障の観点から、適正備蓄水準への回復を進めていく必要がある。このため、令和7年産21万tの買戻しを着実に実行していく」とした。
さらに「令和11年度までの農業構造転換集中対策期間において、農地の大区画化や中山間地域のきめ細やかな整備、共同利用施設の再編集約・合理化、スマート農業の導入加速化、輸出産地の育成を集中的かつ計画的に推進し、農業の生産性や付加価値を高めることによって、収益力を向上することを後押ししていく」と述べた。
農業構造転換に関しては「食料安全保障を確立するためには、生産の基盤である農地が守られなければならない。農地を守ってもらうためには、農業者にしっかり営農してもらうことも大事だ。地域計画もしっかりつくりながら、農地を集約化し、未来のその地域の農村農地がどうあるべきかということも、検討してもらわなければならない。まさに今、本当に大きな転換期を迎えているのだと思う」と述べた。
需給バランスが動揺している米の状況について「米の需給の安定を図るためには、令和9年産に向けてまずは、主食用米のみならず、加工用米、米粉用米、輸出用米等の需要の開拓を進めることが大変重要。今も需要に生産が追いついていない状態と思っているので、多様な米の『需要に応じた生産』を徹底することが基本的な方針だ」と述べた。
そのために水活の見直しにおいては「多様な米を作っていただくために、生産者が意欲を持って取り組んでいただける水田政策にしたい。たくさん、意欲を持って収穫を向上していけば、それだけ手取りが増えていくというような制度設計をしっかりと作っていきたい。また多様な米の需要を拡大しながら、需要に応じた多様な米を作っていただく、輸出用米、米粉用米、飼料用米も含めて、それを作ってもらえるような、意欲のわくような、単価にしていく必要がある」とした。そのための予算面について「現場からも、現行の水活の水準以上を確保するよう、要求をいただいているところなので、令和9年度の予算編成過程の中で、しっかりと決定していきたい」とした。
生産者のセーフティネット対策については「稲作農業者の経営安定に向けた収入保険とか、ナラシ対策といったセーフティネット対策については、米の需給や価格の安定にとって大変重要だ。これらも着実に実施しながら、農業者が安心して営農活動を行えるように、しっかりと支えていきたい」と述べた。
上昇が続く生産コストの価格転嫁について「消費者の理解をいただいて、コストが上がっていることで再生産ができなくなる、あるいは再投資ができなくなる、そういうことがないように適正に価格転嫁を進めていくことも大変重要だ。そのための食料システム法なので、しっかり理解をいただく努力もしていきたい」と述べた。
〈米麦日報 2026年10月19日付〉







