伊藤園「お~いお茶新俳句大賞」、累計応募約4905万句 入賞1000句を商品パッケージに

第37回伊藤園お~いお茶新俳句大賞の受賞者と審査員ら
第37回伊藤園お~いお茶新俳句大賞の受賞者と審査員ら

伊藤園は10月15日、東京都内で「第三十七回 伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の結果を発表した。今回は世界60カ国・地域から45万2270人が参加し、応募句数は173万9032句に上った。最高位の文部科学大臣賞には、岡山市の矢野啓介さん(46)の「春の海すこし鯨の乳まじる」が選ばれた。1989年の開始以来、累計応募句数は約4905万句となった。

同賞は「お~いお茶」が誕生した1989年にスタートした。季語や定型などの約束ごとにとらわれず、五・七・五のリズムで自由に表現できる「新俳句」を提案。短文表現の発表の場として自社製品のパッケージを活用し、俳句を身近に楽しめる機会を広げてきた。

今回は、小学生の部(幼児含む)、中学生の部、高校生の部の応募句数が計158万3890句となり、全体の約9割を占めた。志田光正執行役員マーケティング本部長は、俳句を身近に感じ、気軽に創作できる場を目指していると説明。「これほど多くの若い方々に応募いただけることを大変うれしく思う」と語った。

文部科学大臣賞を受賞した矢野さんは、前々回に佳作特別賞、前回に金子兜太賞を受賞しており、今回で3回目の受賞となる。伊藤園が公表した作者コメントによると、多くの鯨が春に出産することを知り、子鯨に与える乳の豊かさに思いを巡らせた。乳がほんの少しでも海に混じっていると想像し、自然の大きな恵みを感じたことから詠んだという。

審査員の夏井いつきさん(俳人)は、受賞作について、春の海と鯨の乳を通じて生命の豊かさを表現していると評価。「すこし」という言葉も、鯨の乳が海に混じる情景を想像させる表現として生きていると講評した。

審査員のいとうせいこうさん(作家・クリエーター)は、今年は作品から作者の年齢がほとんど分からず、世代を超えて優れた句が生まれていると総評した。前年にも鯨を題材にした句で金子兜太賞を受賞した矢野さんについて、今回の作品も選ばれる価値があると評価。「37回目にして、ようやく『お~いお茶俳人』が生まれたのではないか」と語った。

金子兜太賞には、神奈川県平塚市の小学6年生、平之内里咲さん(11)の「二億年待たせてごめん今掘るよ」が選ばれた。平之内さんは小学5年生の授業で初めて俳句づくりに挑戦した。公表された作者コメントによると、博物館で本物の化石に触れ、長い間土の中に眠っていた命を想像したことが創作のきっかけとなった。特別な条件がそろってできた化石が目の前に現れた奇跡を喜ぶ気持ちを句に込めたという。

金子兜太賞(左)と文部科学大臣賞の受賞句を掲載した「お~いお茶」のボトル
金子兜太賞(左)と文部科学大臣賞の受賞句を掲載した「お~いお茶」のボトル

このほか、小学生、中学生、高校生、一般A、一般B、英語俳句の六つの部門で大賞を選んだ。入賞作品1000句は、2027年春以降に「お~いお茶」シリーズのパッケージに掲載される。第38回の作品募集は11月3日に始まる。

※受賞者の年齢は応募時。

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