伊藤園、新会社設立 茶産地や生産者との連携による日本茶の生産基盤を強化
伊藤園は10月28日、日本茶の生産基盤の維持・強化を目的に、新会社「伊藤園グリーンファーム」を設立したと発表した。生産者の高齢化や担い手不足が進む一方、国内外で日本茶の需要が拡大する中、茶産地・生産者との連携を事業として推進する。
各産地の状況や課題を踏まえ、茶農業経営・栽培・加工に詳しい社内人材の育成などに取り組む。これにより、茶づくりを次世代へ継承し、原料の安定供給と日本茶産業の持続的な発展を目指す。
新会社は9月1日付で設立した。資本金は1億円で、伊藤園が100%出資する。
設立の背景には、日本茶を取り巻く需給環境の変化がある。国内では茶生産者の高齢化や後継者不足、栽培面積の減少が進む一方、海外では抹茶を中心に日本茶への需要が拡大している。原料調達環境が変化する中、将来の市場ニーズを見据えた生産・供給体制の強化が重要になっている。
伊藤園は1976年から50年にわたり茶産地育成事業に取り組み、生産者が生産した茶葉を全量買い取る契約栽培や、荒廃農地などを活用した茶園造成を支援する新産地事業を通じて、生産者との長期的な関係を築き、品質向上や原料の安定調達を進めてきた。新会社では、こうした知見や生産者との関係を生かし、日本茶の生産基盤の維持・強化を推進する体制を構築する。
主な事業は、茶農業経営の改善・発展に向けた伴走支援と農業支援サービスの提供。産地や生産者の課題に応じ、国内外の需要を踏まえた品種の植え替えや栽培方法の見直し、新技術の導入などを提案する。また、農繁期の人材確保や農作業の受託、農業機械の活用支援なども、社内体制の整備に合わせて段階的に実施する。
茶農業経営や栽培、加工に精通した社内人材の育成にも力を入れる。必要に応じて農業法人などへの出資を行うなど、資金面からの支援も進める。
伊藤園が10月28日に公表した「統合レポート2026」では、茶産地と市場をつなぐ取り組みを競争優位の源泉として整理した。市場が求める品質や用途、数量などを見極め、産地と連携して生産体制を整えることで、原料の安定供給と商品価値の向上を図る考えを示している。
新会社を通じて茶園や設備・技術、人材の継承を後押しし、原料の安定調達と伊藤園グループの中長期的な企業価値向上につなげる考えだ。







