ドムドムハンバーガー、「2027年に100店舗」のビジョン 現状の3倍

昨年12月に出店した「ドムドムハンバーガー 厚木店」
〈レンブラントHD傘下で再スタート 新規出店を加速、SNSによる情報発信も〉
日本初のハンバーガーチェーンとして1970年に誕生した「ドムドムハンバーガー」は昨年、ホテル・不動産・再生事業を柱に事業展開を行うレンブラントホールディングス(神奈川県厚木市、以下HD)グループの傘下となり、新たな運営会社の下、再スタートを切った。

2027年に現状の3倍に当たる100店舗のビジョンを掲げ、レンブラントグループの物件開発チームの協力を得て多店舗展開を進めていく構えだ。SNSによる情報発信も開始し、若年層の認知拡大も進め、新規出店を加速させる。運営会社ドムドムフードサービス(神奈川県厚木市)の代表を務める佐々真司社長に、新生「ドムドムバーガー」に懸ける意気込みを聞いた。

ドムドムフードサービス 佐々真司社長

ドムドムフードサービス 佐々真司社長

〈ビッグドムバーガー、お好み焼きバーガーは「想定を大きく超える販売」―佐々社長〉

――17年7月に新生「ドムドムハンバーガー」として再スタートを切った

「ドムドムハンバーガー」は18年1月末現在35店舗(直営26店舗、FC9店舗)を展開している。レンブラントHDの子会社であるレンブラント・インベストメントと、新生銀行傘下の新生企業投資が、共同でダイエー子会社オレンジフードコートからハンバーガー事業を譲受。17年4月に運営会社であるドムドムフードサービスを設立した。レンブラントHDは、再生事業をグループ内における今後の成長ドライバーに位置づけ、事業拡大を目指している。グループ傘下入り以降、情報発信によるブランド戦略、店舗物件開発による出店戦略、ホテルシェフによる商品提案と様々な面でシナジー効果を得ている。

情報発信については、店舗商品訴求物からSNS発信まで、ブランドイメージの転換に大きく効果があった。店舗物件開発については、全国から多数のオファー獲得が得られ、これまでのスーパー、ショッピングセンター以外にも駅近物件など計画以上の出店ができる見通しとなっている。ホテルシェフには、レシピ提案を受け、商品開発上の大きなヒントを得ている。

――17年の店舗戦略の概要と動向

9月には新しいロゴで再スタートを切っており、同時に従業員の制服を変更し、新生ドムドムのイメージ転換を推進した。商品面では、9月にパティを2枚使った「ビッグドムバーガー」と、過去の人気商品であった「お好み焼きバーガー」をリメイクして導入し、おいしさの認知を高める施策を打った。想定を大きく超える販売数となり、12月に実施したグランドメニューの改定で主力商品に編入することができた。同時にドムドムとしては高価格帯のメニューでも付加価値があれば、お客様の支持を得られるという手応えを得たため、今後のプライスゾーン、プライスレンジ戦略の構築に目処がたったことは、大きな収穫となった。

〈ブランド認知拡大が現状の課題、将来は半数をFC店舗に〉
――18年およびその後の中期・長期戦略

2020年に50店舗、2027年に100店舗のビジョンを掲げており、グループの物件開発力チームの協力を得て多店舗展開を進めていきたい。店舗数の拡大を目指すには、若年層の獲得が不可欠なため、マーケティングプロモーションではLINEやインスタグラムなどSNSで情報発信を行い広く認知拡大を進めている。最大で400店舗まであった「ドムドムハンバーガー」だが、30代前後の世代が子どもだった頃には既に店舗数が減少しており、ブランド認知を拡大していくことが現状の課題と捉えている。

我々が成長拡大していくには、店舗数増加と、独自性の高い商品を断続的に投入していくことが不可欠だ。目的は客層の拡大。スーパー内店舗がほとんどの我々の主客層は、中高年主婦層であり、本来ハンバーガー屋の主客層であるべき学生、若年層の獲得が急務になっている。駅前立地、大型モール内への出店により若い層へ拡大して、より幅広い年齢層に来店して貰うことが成長の鍵と考えている。昨年12月は、6年ぶりの出店を再開し、「厚木店」をオープンした。3月までに3店舗のオープンを計画している。ある程度認知度が高まった段階で、フランチャイズ店の募集をスタートさせ、将来的には半数程度をFC店舗として運営し、店舗数の拡大と、利益構造の転換を図っていきたい。商品開発面では、ドムドムらしさを感じられる他チェーンにはない新メニューの導入を継続する。

〈食品産業新聞 2018年2月15日付「外食特集」より〉

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