“コーヒーは名脇役” UCC新店はチーズやチョコとのマッチングを初心者に提案

「COFFEE STYLE UCC」店内
〈「COFFEE STYLE UCC」、横浜駅西口「FOOD&TIME ISETAN」内に開店〉
“コーヒーはわかりづらい”、“どんなタイプを選べばいいのか難しい”。そんな声に応える店舗として、UCC上島珈琲とユーシーシーフードサービスシステムズ(UFS)は、「COFFEE STYLE UCC(コーヒースタイルUCC)」を、横浜駅西口の新施設『FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA(フードアンドタイムイセタンヨコハマ、横浜市)』へ3月20日に開店した。

同店の特徴は、コーヒーの初心者への提案を最も重視していること。店内ではチーズやチョコレート、そしてフルーツの試食を用意し、それぞれのフードに合わせたブレンドのコーヒーとのマリア―ジュ(飲み物と食べ物の組み合わせ)を楽しむことができる。

〈食べ物との組み合わせを商品名に/「For food」シリーズ〉
コーヒーは、リニューアル発売されたばかりの「CAFE@HOME(カフェアットホーム)」ブランドを中心に展開し、そのうち「For food」シリーズ(6種類)は、商品名が産地や品種などのコーヒー豆の表記ではなく、「For Creamy Cheese」や「For Sweet Fruit」など、食べ物との組み合わせからマッチするコーヒーを選べるようになっている。

チーズ・チョコ・フルーツ等に合わせたブレンドのコーヒーを提案

チーズ・チョコ・フルーツ等に合わせたブレンドのコーヒーを提案

たとえば、チーズでは、ミルク感の強いクリーミーチーズと、ゴルゴンゾーラのようなソルティチーズ向けに2種類のブレンドのコーヒーを用意している。また、カフェインレスコーヒーや時間帯別の飲用シーンで選べる商品も販売する。「CAFE@HOME」の商品は、いずれも指先に載るほどの小さい個包装で、1個(税込160円)から販売。気軽にいろいろな組み合わせを楽しむことができることが特徴だ。

UCC上島珈琲の担当者は、「私たちUCCはコーヒー専業メーカーなので、これまではおいしいコーヒーを知っていただきたいという思いが強すぎたため、特にコーヒー初心者の方へわかりやすくお伝えできていませんでした。新店ではフードが主役であり、コーヒーは脇役でいいと思っています。しかし、名脇役になるような提案をすることで、お客様の生活にコーヒーを取り入れていただけたらと考えています。コンビニコーヒーなどの広がりでコーヒーへの関心は高まっています。家でも楽しみたいという時に、そのきっかけとしてフードとコーヒーの組み合わせを提案します。きっと味わいの広がりや変化を楽しんでいただくことができると思います」と話す。

〈横浜市18区をイメージしたブレンド「NANKOU721」「ISOGO442」などの展開も〉
また、同店には、コーヒーを生活の中にすでに取り込んでいる人たちに向けた「ブレンド工房」も設置されている。

その主力商品となるのが横浜市18区の各地区をイメージしたブレンドコーヒーだ。同店では、「スタッフのほとんどが横浜在住なので、“横浜ってどんな街か”というディスカッションから始めました。コーヒーは選ぶのが難しいと思われがちですが、自分の住む街の名前を使ったコーヒーであれば、その試飲から始めていただくことができ、会話のきっかけになると思います。コーヒーは嗜好品ですが、日常的に楽しんでいただきたいので、お値段はリーズナブルな設定を心掛け、100g500円以下でも購入できるようにしました」としている。

横浜市18区 各地区のイメージに合わせたブレンドを展開

横浜市18区 各地区のイメージに合わせたブレンドを展開

コーヒーにこだわりのあるコアなファンの獲得も大切だが、初心者へどのように提案するかは、今後のコーヒー飲用者の裾野を広げる上で重要。コーヒーの未来に向けて、UCCはこれまで以上に、幅広く生活者とのコミュニケーションを強化していく考えだ。

【横浜市の各地区をイメージしたブレンドコーヒー】
※スタート時は5品を店頭で発売。数字は豆の種類の比率を示す。価格は全て100gあたり、税込。

▽「YOKOHAMA NANKOU721(ヨコハマ ナンコウ721)」(480円)=新店の住所である横浜市西区南幸町(みなみさいわいちょう)を、住人が音読みでナンコウと呼ぶことから命名。どんな時間帯でも楽しめるバランスの良い味覚のブレンド。

▽「YOKOHAMA ISOGO442」(480円)=磯子区には、海と山があり、工業地帯やアメリカの居留地もあるため、朝・昼・晩で情景が変わる街であることから、その混ざり合った印象をブレンドコーヒーで表現した。飲んだ時に、酸味、甘み、苦みがそれぞれ感じられる立体的な味わいが特徴。

▽「YOKOHAMA KANAZAWA442」(560円)=文化的な街として知られる金沢区を表現し、深煎りの豆を使って読書時などにお勧めの深い味わいとした。

▽「YOKOHAMA AOBA73」(680円)=お洒落で優雅なイメージの青葉区を、レモンのようなさわやかな味わいで表現。和室の畳の部屋で貴婦人が飲んでいるイメージを意識した。

▽「YOKOHAMA KOUHOKU541」(680円)=港北区が若い人たちが住みたい街として人気のため、土曜や日曜日の昼下がりに家族で、テラスで飲んでいるような若々しいイメージの味わいとしている。

 

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