日本冷凍食品協会は5月30日、パレスホテル東京(東京都千代田区)で「平成30年度通常総会」を開いた。役員改選では伊藤滋会長(マルハニチロ社長)、藤井幸一副会長(サンマルコ食品社長)がともに再任された。今年度の事業計画として、広報事業では引き続き冷食に対するポジティブイメージの向上を図るが、新たにシニア向け講習会を実施する。品質・技術事業ではHACCP対応の会員内外への支援に注力する。来年に創立50周年を控え、記念事業の準備も始める。総会・懇親会にはおよそ200人が参集した。再任された伊藤会長は「冷凍食品業界にとって大変重要な2年間。業界発展のため全力を尽くす」と、藤井副会長は「地方の会社、中小の声を反映させたい」と、それぞれ就任あいさつを述べた。

今年度は国の制度化を控えるHACCPへの対応に注力する。冷食業界向けの手引書は厚労省と調整中だという。現行の認定基準に沿ったHACCPに基づく衛生管理(いわゆる基準A)について、2日間の講習会を会員向けに全国6カ所で実施する。

他方で会員外の冷食企業に対しても基準Aの手引書に基づく講習会を開くことも決めた。広報事業では引き続きポジティブイメージの向上がテーマだ。「ココロにおいしい、冷凍食品」をキャッチコピーとして展開する。合わせて「しあわせ広がる、冷凍食品」も適宜使用していく。訴求対象については男性、子育て世代、シニアを順に挙げている。

啓発を目的とした講習会では学生や業務用ユーザー向けのほか、消費者講習会としてシニアを中心にした団体などと連携して、シニア向け講習会を実施する。また流通事業者と連携して流通事業者の従業員を対象に、温度管理など冷食の基礎知識に関する研究を行う。

総会・懇親会には新井ゆたか農水大臣官房審議官、横島直彦食料産業局食品製造課長ら農水省関係者、道野英司厚労省医薬・生活衛生局食品監視安全課長、関野秀人食品基準審査課長ら厚労省関係者も参加した。農水省からは冷食製造業の労働生産性の低さも指摘され、付加価値の向上や機械化・ITの活用を促す意見が示された。

伊藤会長の開会挨拶は次の通り。「昨年の冷凍食品の国内生産量は過去最高の160万1,000tとなった。会員各社が消費者ニーズに合った商品開発を行い、積極的にテレビ広告を行ったことが反映したと見られる。業務用も利用先の人手不足などを背景に好調に推移した」「当協会では広報事業としてシニアや男性、子育て世代への訴求に重点を置き様々な媒体を活用してきた。また東京オリンピック・パラリンピック組織委員会顧問の三國清三シェフに“冷凍食品アンバサダー"に就任していただき、冷食のPRを手伝っていただいた。2020年東京オリ・パラに向けて、冷食の素晴らしさが広く伝わるよう尽力していく」「冷凍食品認定制度では国際的認証制度に対応するため昨年4月から、新基準による審査を開始した。会員各社の努力もあり円滑に運営できている。今後、食品衛生管理の国際標準化いわゆるHACCPの制度化が進められることになる。当協会としても重点的に指導・支援していく」「環境対策として環境省の脱フロンに向けた補助事業において、農水省の支援もあり食品製造業が今年度から補助対象となった。自然冷媒への転換を促進していくことが重要だ」「今後の冷食業界発展のため、会員の皆様と力を合わせて全力を尽くす」

〈冷食日報 2018年6月1日付より〉

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