〈「価格・品質を上げる施策、各業態に響いた」=福本業務用事業部長〉
ニチレイフーズの業務用事業は17年度、増収増益で着地した(「業務用調理品」の売上高は前期比9.4%増973億2,100万円)。

前16年度はCVS部門(広域事業部所管)の増収が、その他の惣菜・外食・給食(業務用事業部所管)の減収をカバーしたかたちだったが、当期は全業態で前年を上回った。「少しずつ価格帯と品質を上げていく施策が、各業態に響いて全業態に売上げを伸ばした」(福本雅志常務執行役員業務用事業部長)。利益面も安定している。18年度はCVS業態の成長の減速を見込みながら、4%増収を計画する。

福本事業部長は17年度の総括として「15年度に(ほぼ全品)価格改定し、16年度は採算の悪い商品の絞り込みなどを行い利益重視で進めたこともあり減収となった。“17年度は打って出る”と位置付け、惣菜、給食、外食いずれも売り上げを伸ばした」と話す。

主力のチキンは16年度減少したが、17年度は新商品(鶏天や自然解凍品「クイック&スマート メード」)の追加もあり2桁近い伸びとなった。春巻は16年度大幅伸長し63~64億円規模の売上となったが、17年も3~4億円堅調に伸ばした。さらに貢献度を強調するのが、高質品による総市場拡大の成果だ。

“日常以上、ハレ未満”の世界観を生活者が求めているとの仮説のもと、当年度は各業態向けに発売した新商品の導入が進んだ。

16年度、利益重視の施策の影響で惣菜ルートに落ち込みが見えていたことから、同年11月に「シェフズスペシャリテ」シリーズを発売。同シリーズ「たいめいけんハンバーグ」が市場を席巻した。「全国のスーパー惣菜ルートの弁当の売れ筋の上位を今も継続している。惣菜ルートでもわかりやすいちょっとした贅沢に手を伸ばしてくれることが証明できた」。

同社は惣菜ハンバーグでは3~4番手に位置する。ハンバーグが売れにくいと言われる惣菜業態だが、高質品によって市場拡大に成功した。「秋季新商品と発売時期をずらしたことで、露出度も高まった。有名シェフの名前がついていると弁当が100円~150円高くても、生活者は手を伸ばしやすい」。

事業所給食もシェフズスペシャリテのもう一つの販路に位置付け、導入が進んでいる。「限られた予算の中で給食事業者が苦労している一方、従業員はおいしいものを食べたい。社食の利用率が高まっているなか、ちょっとした贅沢が仕事のモチベーションにもつながると実感されている」と分析する。

外食向けには17年春「ちょい飲みスペシャリテ」シリーズを発売して、販売好調だ。惣菜同様に“手の届くちょっとした贅沢”の流れをつくった。17年秋にはかつて豪州で生産していた「グレイビーハンバーグ」を、国内生産で復活した。今期は更なる浸透を図る。業務用のハンバーグ分野は17年度、合計で10億円伸長したという。

利益面も安定化し、利益率は上昇傾向にあるという。「15年度の値上げもあったが、むしろ13年14年の収益改善の苦労が実った結果と考えている。中計3年目となる今年度の業務用食品の目標は、継続的収益向上と健全な売上げ成長の両立としている。価値ある商品を適正価格で提供する姿勢を推し進めてきた」。

価格改定は現状考えていない。円安進行が懸念材料としながらも、提案商品や販売条件の見直しによって吸収する余地を探る考えだ。

18年4%増「特撰和風鶏竜田揚」好調18年度は「業務用調理品」で売上高1,017億円4%増を見込む。業務用事業部も同程度の伸長率を計画する。

商品施策として、シリーズ品拡充を行いつつ、新分野へも挑戦する。今春は着色料、保存料、化学調味料不使用の「ピュアデリカ」シリーズを立ち上げた。「新商品は定番化させることが重要。業務用では3年間のスパンで追っている」と話す。

今春の新商品では同社最高品位の「特撰和風鶏竜田揚」の販売が非常に好調だという。営業施策としては市場拡大に向け「今まで冷食を使っていなかったお客様にどれだけタッチできるかが勝負」とする。2年連続で開催している業務用展示「ニチレイフーズ・フェスタ(エヌフェス)」も継続開催を予定している。

〈冷食日報 2018年6月12日付より〉

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