丸水長野県水の吉田宏社長は13日、同社冷凍食品部会の中で主要取引メーカーを前に前期の概況と今期の事業方針について説明した。前期はマルイチ産商との統合シナジーを生み、大幅増益となった。今期は業務用卸と惣菜の子会社を合わせた丸水グループの連携を強め、業務用市場とSM惣菜市場の開拓に注力する。強みである冷凍物流を拡充して、物流受託業務も拡大する方針だ。

丸水長野県水の17年度売上高は297億2,700万円、営業利益は3億1,600万円となった。吉田社長は「利益率1%以上を確保し、営業利益は大幅な増益になった」と評価。「新生・丸水長野県水はマルイチ産商グループとして、自主性・独立性を維持しながら経営すること、地域卸として事業再生すると方針を示した。グループのシナジーを含め良い形で1年を終えた」と話した。

具体的取り組みについて、昨年10月に同社食品事業を親会社となったマルイチ産商に統合した。その際に塩尻センターを閉鎖、従業員はすべてグループ内の会社に再雇用している。この点「マルイチ産商の安定基盤につながり、得意先にも充実した機能の提供につながった」と説明した。同月は水産事業でも丸水の伊那市場を閉鎖しマルイチの伊那市場に入場する形で統合。「機能を向上し、サービスレベルを上げることができた。運営コストも大幅に削減して黒字転換し、維持継続できる市場に生まれ変わった」とした。

丸水の事業再構築については「水産、畜産、冷凍食品をコア事業として、子会社の業務用卸マルゼンフーズとケータリング・惣菜事業のアスコットを含めてフルライン戦略を推進した。この2年目で具体的戦略が形になっていくと思う」と述べた。

今期の方針としては〈1〉フルライン戦略の推進〈2〉市場での総合展示会の開催〈3〉冷凍物流事業の拡充――をテーマに掲げた。

フルライン戦略にとして引き続き、コア事業である水産・畜産・冷凍食品を強化する。マルゼンフーズとアスコットを含め「丸水グループとしてフルライン戦略を推進する」と述べた。機能連携によって従前の営業に加え、業務用マーケットとSMマーケットを拡大する方針だ。

水産市場の活用にさらに踏み込む。「水産市場は20年前に比べ、市場経由率は半分、事業規模も半分だ。しかし調達・仕分け・配送の基地になっている」として、この機能活かすために今年4月、長野市場内にマルゼンフーズを移転した。「市場というアセットを物流総合センター化し、食品フルライン戦略のモデルケースにしたい。初の試みだが、この1年で事業化の目途を付けたい。これによりローコストオペレーションの確立につながる」と意気込んだ。

丸水グループ総合展示会を昨年に続き、今年は9月12日に開催する。展示会について吉田社長は「食は本来、よろこびを感じるもの。生産者とリテーラーをつなぐ、サプライチェーンの中核として進むというコンセプトで展開する。市場内で開催し、小売のほか業務用エンドユーザーを集客する。年末商戦・業務用マーケットの拡大戦略・SM惣菜・新規顧客戦略――の4つがテーマ」と説明した。

低温物流事業の拡充について「当社の最大の強みは県内に3,000tの営業冷蔵庫をはじめ、長野、佐久、松本の保管施設と、庸車を含め冷凍車両が70台あり、県下を網羅できるだけの冷凍物流網をもつ。おそらく県内で一番プレゼンスが高い」と述べて、その強みを強調。さらに機能を高めるために3,000t冷蔵庫横にある400坪の低温センターを半分、冷凍物流の仕分けスペースに転換工事する計画を明かした。「流通型の営業倉庫として強化し、長野県内のプレゼンスをさらに強化する」考えだ。

冷凍物流については既に2月、県外である中京エリアでドラッグストアの物流受託を始めた。6月中旬からドラッグストアの共配も開始。「卸売だけでなく、冷食事業では共配など物流事業戦略も合わせて展開する」と意気込んだ。

今期第1四半期は水産事業がアニサキスや大衆魚不漁の問題で苦戦したが、冷食・畜産は堅調。売上げは計画未達だが、営業利益は計画通りだという。

〈冷食日報 2018年6月18日付より〉

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