国税庁は6月28日、地理的表示(GI)として「灘五郷」(清酒)及び「北海道」(ぶどう酒)の指定を行った。それぞれ国内の清酒・ワイン生産の中心地であり、今後の海外展開も含め、酒類業界には大きな好影響が期待される。

〈味わいの要素の調和がとれ、後味の切れの良い酒質/「灘五郷」(清酒)〉
「灘五郷」(清酒)では、兵庫県神戸市灘区、東灘区、芦屋市、西宮市を産地の範囲に指定。

酒類の特性として「総じて、味わいの要素の調和がとれており、後味のキレの良さを有している」とし、貯蔵したものについては「香味が整いまろやかさを増して飲み飽きない酒質」、純米吟醸酒と吟醸酒については「香味の調和が整うとともに、さらに後味の切れが良い酒質」と説明。

自然的要因については、冬季の山おろしである「六甲おろし」が「寒造りに極めて適した気候をもたらしている」とし、「宮水」など同地特有の地下水は、「酵母の増殖に必要なクロールやカリウムなどのミネラル分を適度に含み、着色の原因となる鉄分をほとんど含まない、酒造りに適した硬水をもたらす」と説明。「これを仕込み水として醸造することにより、強く健全な発酵を促し、味わいの要素の調和がとれ、後味の切れの良い酒質が形成されてきた」と強調している。

〈欧州系白品種には国内でも最も適した気候/「北海道」(ぶどう酒)〉
「北海道」(ぶどう酒)については、酒類の特性を以下の通り説明。

〈白ワイン〉「色合いは、一般的に透明に近いものから淡黄色を有している。香りは、豊かで、華やかな花や青リンゴや柑橘系の果実の香り(アロマ)を有している。味わいは、豊かな酸味を有し、辛口のものではその酸味が鮮明に感じられ、甘口のものでは酸味と甘味の調和が取れ、いずれもフルーティで軽快である」

〈赤ワイン〉「色合いは、一般的に薄めの鮮紅色からやや濃い赤紫色を有している。香りは、スパイスや果実の香り(アロマ)を有しているもののほか、軽快な熟成香(ブーケ)を有しているものがある。味わいは、中程度もしくは軽めであり、はっきりとした酸味と穏やかな渋味を有し、長期熟成した場合でも果実味が感じられる」

〈ロゼワイン〉「色合いは、一般的に紫系からオレンジ系の色合いを有している。香りは、豊かな果実の香り(アロマ)を有している。味わいは、甘口のものでは原料ぶどうを連想させる程良い甘味と酸味のバランスが良く、辛口のものではその酸味が鮮明に感じられ、いずれもフルーティで爽やかである」

また、自然的要因として「国内の他のぶどう栽培地に比べ、冷涼でぶどうの生育期の積算温度が低い」ことを挙げ、「ドイツ系品種及びフランス系品種のうちシャルドネ、ピノ・ノワールの栽培適地とされ、とりわけ、欧州系白品種には国内でも最も適した気候とされている」などと説明している。

〈酒類飲料日報 2018年6月28日付より、一部改稿〉

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