〈とんこつスープにこだわり〉
九州人なら絶対に一度は食べたことがあるカップめんが存在する。その名は「焼豚ラーメン」。その名のとおり、焼豚入りとんこつラーメンの即席カップめんで、今年で発売40年になる。九州エリアのスーパー・CVSのカバー率は90%以上という商品だ。一番のウリはやっぱり「焼豚」かと思いきや、メーカーがこだわりを見せるのは「とんこつスープ」だった。九州人のソウルフードはいかにして生まれ、どう進化するのか。

「焼豚ラーメン」を製造・販売するサンポー食品(佐賀県三養基郡基山町)は1921年(大正12年)、米卸業として同地に創業した。52年(昭和27年)に旭製粉製麺株式会社に社名を変更し、乾めん製造を始めた。59年にはスープ付の即席棒状ラーメン「三宝ラーメン」の製造を開始する。のちに社名にもなる「三宝」とは?古川揚一工場長によると「早い、安い、うまい」の“三宝”だそうだ。当初は「みたから」と読んでいたのだが、それがサンポーと呼ばれるようになり、社名になった。「サンカップ」というタテ型カップめんもいち早く発売、いずれも販売エリアは九州が中心だった。

「九州でラーメンといえばとんこつ」と古川工場長。社員が九州出身者で構成されており、「とんこつスープにはこだわっている。とんこつの味に関しては日本No.1」と自信をのぞかせる。粉末スープは自社で配合を決め、混合も自社で行っている。「九州人の好きなとんこつを目指している」とし、78年の発売以来、ニーズに合わせて微調整しつつ、リニューアルを重ねてきた。

そして「焼豚」だ。実際に食べてみるとわかるのだが、この焼豚は大きい。パッケージにあるとおり大きい。このサイズは発売当初から変わっておらず、発売時には大好評で、在庫がなくなるほど売れたそうだ。「焼豚ラーメン」シリーズでは「熊本とんこつ」「焦がし醤油豚骨味」「鹿児島とんこつ」「長浜とんこつ」などのバラエティ商品があり、17年1月には地元基山町の有名ラーメン店「丸幸ラーメンセンター」とのコラボ商品を発売した。同店の特徴である濃厚な白濁豚骨スープに、福岡県産のラーメン用小麦「ラー麦」のめんを合わせている。

このほど、東京オフィスを開設、関東方面への拡販に注力していく考えだ。今後の商品開発については「九州の味を発信しつつ、塩分やカロリーなどに配慮し、今までのターゲットとは違った層を開拓できる健康訴求型の商品も開発していきたい」と語る。発売40周年を迎え、飛躍に期待が高まる。

〈月刊 麺業界2018年1月号より〉

 

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