〈トップインタビュー〉林善博ひかり味噌社長に聞く 上期売上好調推移、「あまざけ」1L好調、フル回転で商品供給

ひかり味噌・林善博社長
「麹の花」ブランドから第一弾商品として昨秋発売された「あまざけ」が好調だ。今春の新製品「麹の花 無添加オーガニック味噌」も最高の味と、林善博社長も自信を見せており、配荷も順調で、これからの販売動向から目が離せない。また、「円熟こうじみそ スティックみそ」もみそ売場の活性化に一役買っているようだ。林社長には新商品好調の背景と今後の展開について伺った。

──18年度上期(10月~3月)の業績をお聞かせ下さい。

3月がよみきれていないが、金額ベースで、8%増ぐらいになりそうだ。みそも加工食品も同じぐらいの伸びとなっている。去年の10月以降、天候が悪かったが、総じてまずまずで推移している。

去年11月から発売した「あまざけ」は金額ベースで純増となっている。特に1Lサイズは良く売れており、フル回転で商品を供給している。今年末にはパッケージデザインを変えようと考えている。発売後の反応もみながら、飲料マーケットに合ったデザインにしていきたい。

1Lサイズが良く売れるのは、冷蔵庫に入れていつでも飲むというスタイルがかなり定着していると感じている。

それから、「無添加 円熟こうじみそ 減塩」750gも好調で安定した売れ行きを見せている。

〈PB商品でリニューアル需要の波、有機みそも盛り上がりの気配〉
また、前期に確定、受注したPB(プライベートブランド)商品が立ち上がってきている。カップのみそ汁や、徳用タイプのはるさめスープやフォーなどもある。みそも全国配荷するPB商品を受注している。

現在、PB商品が全般に、17年下期から商談が活発になってきて、成約が相次ぎ、その売上が今期売上に計上され始めている。

PB商品は過去2~3年停滞期だったが、流通サイドからテコ入れしたいといった要望があり、PB商品のリニューアル需要の波はきている。

PB商品に対する要望は流通によっても考え方が違うので、大手であれば、値頃感は外せない。一方、新しいところでは、これから伸びると期待できる有機みそなども動き始めている。

有機みそは長らく停滞期であったが、ここにきて動き出しそうな気配を感じている。今年の新商品「麹の花 無添加オーガニック味噌」は有機の需要が盛り上がってくる前に先売りしようと決めた。

この商品はひかり味噌らしさが出たスペックのみそで、商品名も有機ではなく、オーガニックとし、パッケージの文言は全て横書きにしている。特に減塩の方が淡色系のこうじみそと8%の減塩がうまく組み合わさり、バイヤーの評価も高く、配荷はだいぶ進んだ。

──有機の需要が盛り上がり始めた要因は。

流通主導で有機食品の需要は動き始めたと感じている。日本の流通は欧米のトレンドを良く観察されている。米国やヨーロッパで有機食品市場が伸びていることに注目して、日本も遅かれ早かれ、有機食品には対応しなければいけないと感じていたと思う。しかし、遺伝子組み換え食品の問題や米国でグルテンフリーの商品が売れているなどといった話が流れ始めたことで、流通は単においしい、健康というだけではなく、もっと詳細に健康というものを掘り下げて提案していかなければならないと考え始め、流通主導で、有機みその売場の提案などをしてもらえるようになってきた。

加えて、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに合わせて、国際基準での安心安全、またそこから、オーガニックや無添加などに消費者の関心がきている。

〈発酵食品としてのメリットを生かした商品作りに努める〉
米国では、有機認証取っている商品は遺伝子組み換えでないことを独自に表現していい。有機認証を取っていない商品がNon-GMを謳う場合は第三者認証をつけなければならない。

当社の米国への輸出の主力は有機だから、USAオーガニックを取っているので、別立てで認証マークを付ける必要がない。そういう意味では、優位なポジションを得られているのではないかと自負している。

──新製品の「円熟こうじみそ スティックみそ」の評判はいかがでしょうか。

「麹の花 無添加オーガニック味噌」よりも採用店舗が多い。無駄がなく1食単位で使い切れるというコンセプトが受け入れられた。また、この商品は意識的に即席みそ汁の売場ではなく、みその売場で販売してもらえるようにお願いし、それに賛成していただいた。

みその売場は即席みそ汁の売場よりもこだわりを持って選んでいただけるお客様が来る。そういった層に本物の味を1食単位で使い切れる商品を販売するという姿勢が、みその売場の活性化を考えていた流通サイドに受け入れられたのだと思っている。

──次のみそ市場トレンドはいかがでしょうか。

和食ではなく、発酵食品であるがゆえのメリットを訴求していかなければならない。今後の商品開発も発酵食品であることを生かしていきたい。「麹の花」ブランドも麹にウエイトをかけて、淡色系の麹具合の高いみそとしたが、また来年には違う新しいみそを「麹の花」ブランドで出すことを計画している。この商品もかなり特徴づけた違う形で麹を活かした商品を考えているので楽しみにしていただきたい。

〈大豆油糧日報 2018年4月18日付より〉

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