中期経営計画、Nutritionは営業利益6億円増を計画、高付加価値品へシフト-カネカ

カネカ 藤井一彦社長
カネカ 藤井一彦社長

カネカは6月4日、「計画『3年の仕掛』2025説明会」と題し、中期経営計画を藤井一彦社長が説明した。2024年度実績は増収増益で着地しており、このうちNutrition Solutions Unit(Nutrition)は、Supplementが還元型Q10の数量が拡大、Foodsはスプレッドが拡大した。

Foodsでは今後もBtoCを強化する。2025年度計画のうち、Nutritionの売上高は2024年度実績と同様の1,950億円、営業利益は6億円増の137億円を計画する。低収益の製品を廃止し、高付加価値品へシフトすることで利益を改善していく。マーガリンやファットスプレッドについては価格改定を順次行っている。

Foodsに関しては、酪農からの一貫運営を強みに有機乳製品市場の創造・拡大を図るとともに、製品拡充によるHealthy Foods事業スケール化、加工油脂やスパイスでのアジア市場攻略を掲げる。

2025~2027年度の設備投資計画では、投資総額3,000億円のうちNutritionが20%を占める。なお、27年には乳製品新工場を稼働させる予定だ。

計画「3年の仕掛」では、「R2B+P戦略」、「人材戦略」、「グローバル戦略」、「モノづくり戦略」の4つに重点を置き、コア思想として取り組む。

このうち「R2B+P戦略」では、2025年度は440億円を投入し、うち85%は重点分野へ集中させる計画だ。残り15%はコア事業に投入する。

カネカ生分解性バイオポリマー「Green Planet」が、大手ブランドホルダー向けに採用が大幅拡大する見通しだ。2025年度には1万5,000tを実証プラントで本格稼働を開始、2026年度には各国大手ブランドホルダー向けで採用が拡大し、フル生産を計画している。

また、廃油から排出されたCO2を原料として「Green Planet」を生産する。2030年度の実証プラント立ち上げを目指す。

「人材戦略」では、ダイバーシティーを推進する。一例として、女性幹部職比率や事務系新卒の女性比率が年々増加していることを紹介した。男性の育児休暇取得にも取り組み、2週間以上の連続取得30%以上を継続目標としている。

「モノづくり戦略」では、カーボンニュートラルに注力している。GHG排出量目標は2013年比30%(47万t相当)削減の108万tを目指しているが、削減ポテンシャルが92万tまで拡大した。

「グローバル戦略」では、海外売上高比率は、2027年には50%を目指す。海外駐在員数は200人から300人に増やす。

〈大豆油糧日報 5月9日付〉

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