大豆ミート「ソミート」、おにぎりの具材として海外でも引き合い-染野屋

左から小野篤人社長、バルセロナ支社・小林正哉ゼネラルマネージャー
左から小野篤人社長、バルセロナ支社・小林正哉ゼネラルマネージャー

〈7月20日からパリの「おむすび権米衛」で「Tofu Gang」発売〉

染野屋では、豆腐だけでなく、大豆ミートの「SoMeat」(ソミート)も展開している。国内のみならず海外でも引き合いがあり、20日からパリの「おむすび権米衛」で同商品を使用したおにぎり「Tofu Gang」が販売開始した。初日から閉店を待たずに完売するなど順調な滑り出しを見せている。小野篤人社長とバルセロナ支社の小林正哉ゼネラルマネージャーに、同商品の販売状況や開発裏話を聞いた。

「ソミート」の開発は、2009年に小野社長に娘が生まれたことがきっかけだった。「そのときに未来のことを考えた。気候変動に対し、豆腐屋として役に立てることを考えた。そこで、植物性で肉に替わるものを作れればいいと考えた」と話す。豆腐ベースで作ったこともあったが、価格面から実現が厳しく、13年に大豆ミートとして発売を開始した。コロナ禍で健康意識が高まったことで大幅に伸長し、月に数百万円を売り上げるようになった。

小野社長自身が肉好きで、「食べて一発で美味しいと思わせたい」という想いで開発したという。「動物性食品から植物性食品に置き換えるには、意思だけでは難しい。肉が好きな私も満足できるものを目指した」と話す。工場で製造したものを毎ロット試食して確認するほどの徹底ぶりを見せる。

特にこだわっているのは弾力だ。「弾力がないと肉らしさがないが、硬いのもダメなので、ピンポイントを狙って作っている」と語る。また、添加物を使用した大豆ミートも多い中、豆腐作りのときと同様に、添加物不使用で作っている。仕入れる原材料も無添加を使用している。

販売状況について、国内では、コロナ禍でピークを迎え、以降は停滞していたが、今年から再び上昇傾向にあるという。その要因について、「大豆ミートはコロナ禍の際にブームが到来し、現在は2回目のブームが来ているのでは」と話す。近年の異常気象で大豆ミートへの関心が高まったと推測している。現在は移動販売やECサイト、卸業者への販売が中心となっている。業務用の販売も順調だ。好調な商品は「炙り焼き」だという。

〈輸出は米国やヨーロッパ・オーストラリアを中心に展開、約8割が業務用〉

輸出も行っており、米国やヨーロッパ、オーストラリアを中心に展開している。業務用で約8割を占め、おにぎりの具材に提案することが多い。海外では、国によって好調な商品が異なり、例えばポーランドでは「プルコギ」、バルセロナでは「しょうが焼き」が人気だという。

小林マネージャーが異動した22年1月から輸出実績は大幅に増加した。「日本で『ソミート』を担当した当時、売上は落ちる一方だったため、輸出に力を入れた。ジェトロ(日本貿易振興機構)に相談しながら、海外の展示会に出展するなどの活動をした」と話す。

最も輸出量が多い米国では、日系スーパーの「ミツワマーケットプレイス」や、「大阪マーケットプレイス」(サンフランシスコ)などで、小売に加え「ソミート」入りのおにぎりを販売している。

ヨーロッパでは、オーガニックスーパーで「ソミート」入りおにぎりを展開している。オランダの販売は今年中から、現在はドイツで商談中だ。また、オーストラリアでは、今春から業務用を展開している。

7月20日からは、パリの「おむすび権米衛」で、「ソミート 炙り焼き」を使用した「Tofu Gang」を発売開始した。価格は€3.30。販売初日と翌日は試食販売を実施し、初日は17時過ぎに完売(20時閉店)するほどの好調なスタートを切った。パリでの販売が軌道に乗れば、米国の店舗でも展開し、日本への逆輸入も検討しているという。

パリの「おむすび権米衛」で販売を開始した「Tofu Gang」
パリの「おむすび権米衛」で販売を開始した「Tofu Gang」

小林マネージャーは、「『ソミート』を豆腐屋が作る総菜として食べてもらうことで、畜肉の消費量減少や、気候変動といった課題に貢献したい」と話す。

〈大豆油糧日報2026年8月7日付〉

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