【みそ業界】26年上期は生産量・出荷量プラス、「内食回帰」「健康志向」がみそ離れを緩和か/生産量・出荷量は2年間で約6,000t伸長、大手3社は「無添加」好調
26年1~6月のみそ業界は、生産量・出荷量とも前年同期を上回った。みその国内消費量は長期的に減少傾向にあったが、上期で見ると2年連続で増加している。考えられる要因を各メーカーに尋ねると、「内食回帰」、「健康志向」、「海外需要」といったキーワードが多く聞かれた。一方で、「生産の前倒しなど特殊な事情があったのでは。需要の増加とは言えないと思う」と慎重な声も聞かれた。
全国味噌工業協同組合連合会(全味)がまとめた26年1~6月のみそ生産量は前年同期比0.9%増の17万9,484t、出荷量は1.4%増の17万6,392tだった。生産量・消費量ともに2年連続の前年超えとなる。24年から2年間で生産量は5,800t、出荷量は6,200t増加した。 総務省統計局がまとめた1~7月の家計調査によれば、各社が価格改定を行った影響で、支出金額は前年同期から6.3%増加した。購入数量は7.2%減少したとはいえ、1月と7月は前年値を上回っている。
トレンドでは、一時期は簡便性の点からだし入りみそが人気を集めていたが、最近は大豆・米・塩だけで作った無添加みそが伸長している。トップメーカーのマルコメは内食回帰に伴い、みそカテゴリー全体が好調に推移した。健康志向が底堅く、商品別では無添加が堅調。販売金額を見ると、「糀美人」(無添加)は今年度中に「料亭の味」(だし入り)を超える見通しだ。 ハナマルキは金額・数量とも前年同期比プラスで推移しており、中でも無添加の「減塩追いこうじみそ」、「こうじみそ」、「田舎みそ」が好調だった。
ひかり味噌も金額・数量とも前年同期を上回った。無添加の「円熟こうじみそ」と「CRAFT MISO 生糀」が売上ワンツーだ。有機大豆と有機米を使った無添加みそ「こだわってます」も拡販に努めている。
〈物価高で節約志向が高まり「内食回帰」、消費税率引き下げは追い風になるか〉
物価高が続いた結果、内食回帰の傾向が強まっている。外食1回あたりにかかる費用が上がったことで、外食を控えて自炊をする人は一定数増えたとみられる。あるメーカーは「節約志向が高まり、家でみそ汁を作った方が割安と考えたのでは」と推測する。また「せっかくなら家で美味しいもの食べたいというニーズから、高価格帯のみそが伸びた」との声も聞かれた。
みそ汁と一緒に食卓に並ぶものとして、米の値動きが影響した可能性もある。「米不足が落ち着き、米の価格が下がった。買いだめ分と新たに安く購入した分を消費するフェースに入っており、みそ汁もセットで食べることになる」。健康志向の高まりも一因だろう。「腸活という言葉をよく聞くようになった」、「特に40~60代は健康寿命を意識して身体に気をつかっている」。テレビや雑誌など、メディア露出の地道な繰り返しにより、みその健康効果や「発酵」、「こうじ」といったワードに注目が集まっている可能性がある。

家計調査を見ると家庭用の購入数量は前年を割っている。内食回帰や健康志向の高まりは家庭用の需要増につながっていると考えられるが、生産量の前倒しなど特殊な事情が全体の前年超えに寄与した可能性もありそうだ。加えて、海外需要と業務用の拡大が後押ししたものと考えられる。
財務省貿易統計によれば、26年1~8月のみそ輸出は金額が前年同期から18.0%、数量が8.9%伸長した。
業務用は食料品の消費税減税がどう影響するか注目だ。店内飲食は税率10%と割高感が増し、内食回帰を助長させると思われる。一方でデリバリーやテイクアウトは1%、みそメーカーから主な用途としてよく挙がる総菜も1%の対象となり、需要も高まるとみられる。みそメーカーは納品先により、各社明暗が分かれることが予想される。 直近の話題では、新米が5kg2,000円台で店頭に並んでいる。その裏側では25年産の在庫問題が深刻化しており、このまま「米余り」が続けば米の消費が加速され、食卓で和食を食べる日が増えるかもしれない。
〈大豆油糧日報2026年10月7日付〉







