均質性とおいしさを重視「メルティークビーフ」/ホクビー【食品産業技術功労賞】

ホクビーが1982年から発売している「メルティークビーフ」は、フランス料理の技法である「ピケ」とハム製法の「インジェクション」からヒントを得て同社が独自開発した牛脂注入肉。原料となる赤身肉のうま味をそのままに適度なサシが入り、柔らかく、ジューシーな食感を楽しむことができる。
個体差がある正肉に比べて、「メルティークビーフ」は均質性が非常に優れている。“切るだけ”“焼くだけ”の使い勝手の良さから、ファミリーレストランや焼肉チェーン、宿泊施設、給食事業者など広く採用されているほか、豪州やアジア市場でも展開している。
「牛脂注入肉」のパイオニアでありながら、市場が変わり続けることを常に意識し、改良・改善を行っている。近年は添加物や細菌検査、アレルゲンへの要望の高まりを受け、原料の全量検査や、リン酸塩および乳を含む物質の不使用、自社PCR検査の導入などを進めている。
今後の目標は、外食以外の市場を開拓すること。市場との対話を通じてさらなる商品開発・改良を進めていく。
この「メルティークビーフ」は、第53回 食品産業技術功労賞「商品・技術部門」を受賞した。
なお「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2023年時点)。
「第53回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)は、一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美、独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興、日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛、食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹。
〈食品産業新聞 2023年12月4日付より〉