雪印メグミルク 新しいジャンル「さけるチーズ」を開拓

第52回食品産業技術功労賞 マーケティング部門受賞
第52回食品産業技術功労賞 マーケティング部門受賞

雪印メグミルクの「さけるチーズ」は1980年発売。日本にそれまでなかった「手でさいて食べるチーズ」という新しいジャンルを築いた。 

ただ、1度食べた人はリピーターになってもらえるが、1度も手にしたことがない人が多く「ユーザーの間口拡大」が課題に。1992年からはハンガリー舞曲にのってチーズをさく姿が印象的なテレビCMを開始、まずは「さける」物性を知ってもらうところから取り組んだ。その後は商品名変更、パッケージ改良、フレーバー品の拡充で、売り場で視認性を上げた。

また、おつまみ以外に子どものおやつで食べられている実態をふまえ、2000年代から子どもを起用したテレビCMを放映し、30~40代の主婦の関心をつかんだ。さらに、食べ方・料理提案や、「楽しみ方コンテスト」実施と作品公開など、精力的にプロモーションを展開し、ユーザーの拡大に努めた。

2016~17年にさけるチーズの市場参入が相次ぐが、雪印メグミルクの「さけるチーズ」は物性や食感、味わいで類似品とは一線を画す。引き続き食べ方提案にも取り組み、価格訴求によらない消費拡大を実現している。2本入り(50g)、税別220円。

〈食品産業新聞 2022年12月5日付より〉