「せいろパック」は、特許を取得している電子レンジ加熱用パッケージだ。電子レンジ加熱によるパッケージの内圧上昇によって、シーラントフィルムとベースフィルムの伸度差を利用し、小さな蒸気口を形成する点が、他社製品にはない独自の開孔システムである。

蒸気口の小ささは、食品からの水分を逃がし過ぎないための工夫で、本来パッケージの外へ逃がすことで失われる水分を出来るだけパッケージ内で滞留させる効果がネーミングの由来だ。

様々な袋形態や容器トップフィルムでの展開が可能でそれぞれ実績がある。ロール供給も可能で、ユーザーは既存の包装機をそのまま利用することができる。

また、CVSでは昨今、PBによるチルド惣菜の展開が盛んだが、消費期限切れ商品の廃棄問題が深刻化しており、商品のライフ延長がキーとなっている。「せいろパック」は、ミドルバリア性を持つタイプも徐々に実績を伸ばしており、今後は食品ロス軽減に繋がる環境に優しい包材としても、広く普及することを目指していく。
彫刻プラスト代表取締役社長 高橋盛氏

彫刻プラスト代表取締役社長 高橋盛氏

〈小さな蒸気口を熱シール部以外に〉

開発当時に普及していた多くの電子レンジ対応パッケージは、熱シールの一部に弱い箇所を設け、加熱によってパッケージが膨張する際に当該部分を剥離させて蒸気を逃がす方法が採られていた。

また、パッケージの形態や使用する包装機に制限があるように感じていたため、「包装形態を選ばない」、「包装機を選ばない」ロール供給可能な電子レンジ対応パッケージにはニーズがあると考えた。

電子レンジ対応パッケージは、加熱した際に発生する水蒸気によってパッケージが破裂することを防ぐのが条件ではあるものの、破裂を防ぐ=水蒸気を逃がせばよい、というだけではなかった。

蒸気口が大きいと食品に含まれる水蒸気が外へ逃げ過ぎて中身の食品が乾いてしまう。タレなどの液体が含まれた食品の場合、液体がたまる箇所に蒸気口あると、加熱後に電子レンジからパッケージを取り出す際にタレがこぼれてしまう。

これらの事を踏まえ、小さな蒸気口が熱シール部以外の天面の位置で安定的に開くようにするための研究と試作に多くの時間を費やした。

また、袋で達成できたこれらの課題をトレーのフタ材に展開する際には、水蒸気による内圧でフタ材のシールが剥がれることを防ぎつつ、加熱後は簡単にシールを剥がすことができ、開封を容易にする必要があった。

〈食品産業新聞2017年12月4日付より〉