豆腐屋サミットを岩手で開催、「山本の濃い豆腐 おぼろ」が農林水産大臣賞-全豆連

上位受賞者
上位受賞者

全国豆腐連合会は10月3~4日の両日、「第14回ニッポン豆腐屋サミット in 盛岡」を盛岡市内のホテルで開催した。今回の実行委員長は北東北豆腐流通協議会の平野隆会長(平安商店社長)が務めた。

3日には「おとうふ祭り in 盛岡」が同時開催され、地元の一般来場者向けに全国の豆腐の試食会が行われた。豆腐屋ナイト大懇親会では、盛岡にちなんだ「わんこ豆腐選手権」を初開催した。4日には2つの講演が行われた後、「第 10回全国豆腐品評会」の結果発表が行われ、最優秀賞の「農林水産大臣賞」には、山本とうふ店(奈良県)の「山本の濃い豆腐 おぼろ」が選ばれた。

総評を行った東田和久会長(久在屋社長)から、次回開催地は佐賀県と発表された。 「10回全国豆腐品評会」には過去最高の 111社・285品が出品された。これまでは地方予選を行い、絹ごし豆腐や木綿豆腐など4部門ごとに審査していたが、今回から本選一発勝負となり、豆腐も分類せずに審査された。

授賞式で、農林水産大臣賞を受賞した山本豆腐店の山本隆裕代表は、「ずっと取れないと思っていた。岡山での表彰式の場で、ずっと豆腐のことを考えて豆腐をつくっていると言った通り、研究を重ねてきた。いつもお世話になっている関西の豆腐屋、豆腐マイスターの人達のおかげだと思う。この賞に恥じないような豆腐づくりをしていきたい」とコメントした。また、日本豆腐マイスター協会から特別賞も授与された。

山本豆腐店の山本隆裕代表
山本豆腐店の山本隆裕代表

農林水産省大臣官房総括審議官(新事業・食品産業)賞では、充填豆腐の部は豆腐工房味八喜多(兵庫県)の「贅沢三昧充填 冷奴用」、絹ごし豆腐の部は、とうふ工房わたなべ(埼玉県)の「霜里絹豆腐」、木綿豆腐の部は菜の花とうふ(千葉県)の「菜の花とうふ 木綿」が選ばれた。

特別賞のうち、アメリカ大豆サステナビリティアンバサダーアワードは、結城食品(高知県)の「きぬこし(絹筒豆腐)」が、カナダ大豆賞はとうふ工房ゆう(東京都)の「エカポンの絹ごし」がそれぞれ受賞した。「エカポンの絹ごし」はタイ人のウィロサクンチャイ・エカポン氏が作った豆腐だ。エカポン氏は、「私の豆腐の先生で、他所の国の私を受け入れ育ててくれた大久保先生との出会いがなければ、この場に立っていなかった。カナダの大豆を使って、日本で、タイ人が作った」とあいさつした。今回、全国農業協同組合連合会賞を絹ごし豆腐の部で受賞した大久保裕史とうふ工房ゆう社長は、「3回くらい修行したいという申し出を断ったが、海外に日本の豆腐を伝えたいという想いが強く、頑張って欲しいと思い受け入れた。今日はエカポンの受賞が一番うれしい」と話した。

今年から新設された「全国穀物商協同組合連合会賞」は、同連合会の独自の判断により、応援したいメーカーと商品が受賞対象となり、熊本県の4事業者が選ばれ、林英伸理事長(互明商事社長)から表彰状が贈られた。

〈日本の食文化を発信、来年は佐賀で開催、次世代の豆腐屋のあり方を垣間見れる場所〉

閉会式では、東田会長が総評を行い、「『豆腐屋サミット』は、今まで豆腐屋が作り上げていくイメージだったが、北東豆腐流通協議会では豆腐屋は限られ、関連業者が多く、形が大きく変わった。協議会の皆さんがいかに豆腐屋を巻き込むかがポイントだったが、全国から皆さん来てもらえた。盛岡まで時間をかけて来た価値は十分にあった。北東北の青森、秋田、岩手の3県で豆腐屋は減っているが、元気な豆腐屋もある。その土地の大豆を使って作り上げている豆腐がもっと目立ってほしい」と述べた。

全国豆腐連合会 東田和久会長(久在屋社長)
全国豆腐連合会 東田和久会長(久在屋社長)

続けて、「炭火で炙って、ニンニクみそをつけ焼いて食べる豆腐田楽は本当に感動した。そういった東北ならではの味、豆腐をもっと発信していきたい。それが日本の食文化をさらに豊かにする。豆腐もいろいろな味の違うものがあり、日本の食文化として世界に発信されていく、そういった豆腐業界にしていきたい。そのためにもこの『豆腐屋サミット』はずっと続けていく。来年は佐賀で開催する」と述べた。

次回の実行委員長を務める佐嘉平川屋の平川大計社長は、「佐賀県は豆腐の国と佐賀県知事が言ったことから始まった。私は 2000年に佐賀に戻って豆腐屋を継いだが、その時に強く感じたのは、佐賀にはすごくいい大豆が豊富にあり、ザル豆腐の発祥の地で、温泉豆腐、呉豆腐がある。それだけ見ると、京都にも負けないポテンシャルがあると感じていた。そこから、私たちは地元の大豆を使い、地元の豆腐文化を大事にしながら商売をしてきた。そういった姿を見て、佐賀県知事も豆腐の国と言ってくれたと思っている」と経緯を紹介した。

次回の実行委員長を務める佐嘉平川屋の平川大計社長
次回の実行委員長を務める佐嘉平川屋の平川大計社長

その上で、「日本の人口は減っていくのは間違いない。その中で今までのやり方をそのまま踏襲してもじり貧になっていく。われわれはどうしていくべきか考えなければいけない。ビジネスの戦略で言うと、大きく分けて2つしかない。1つはコストリーダーシップで大きな資本を持って、大きな設備投資を行い、誰にも負けない価格で販売していくやり方だが、ここにいる皆さんのほとんどが中小事業者だと思う。取れる選択肢は限られていて、差別化戦略の一択だ。原料や製造で差別化するかという方法もあるが、どこかの段階でキャッチアップされる。一番真似しづらいのは地域性だ。地域に根ざした文化というのを脈々とつないでいくというのは簡単にできることではない。地域性というのが今後、われわれが取り組んでいくべきところだと思っている」と述べた。

佐賀での開催へ向け、「佐賀県は豆腐の商売の最先端を行っている。佐賀県には有力な地場スーパーがない。昔はあったが、倒産や他県の資本に買われ、他県の豆腐が入ってきた。そのような中で生き残っている豆腐屋もあり、流通に頼らない、自分たちが独自のルートを開発していたところばかりだ。そういう意味で、佐賀は次世代の豆腐屋のあり方が垣間見える場所ではないかと思っている。一緒に次世代の豆腐屋のあり方を考えていければ」と呼びかけた。

〈大豆油糧日報2026年10月6日付〉

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