10月度会員集会を開催、直面する課題に新たな部会長のもと取り組み進める-日油協
日本植物油協会(日油協)は10月22日、大阪市内のホテルで10月度会員集会を開いた。同日に記者会見を行い、久野貴久会長(日清オイリオグループ社長)が、5月に就任してからの半年を振り返りつつ、植物油業界の課題や対応策などについて説明した。
久野会長は世界の油糧種子と植物油の需給動向について、「26/27年クロップの油糧種子と植物油の生産は過去最高水準が見込まれる。一方、需要についてもバイオディーゼル向けなどを中心に引き続き拡大しており、油脂類の需給は引き続きタイトとなる可能性が高い。さらに為替相場は円安水準が続いており、原料の大部分を海外からの輸入に依存している製油業界にとって、原料価格の上昇と合わせ、厳しい事業環境が続いている」との認識を示した。
会長就任時の会見では、植物油業界が直面する課題を挙げていた。「協会としてはこうした課題に対応するため、新たな部会長のもと、各部会で取り組みを進めている」と報告した。
7月に日加なたね予備協議、10月に日米パートナーシップ・プログラムを実施した。今後は日豪の情報交換会と日加なたね本協議も予定している。「こうした二国間の協議などを通じ、原料調達に関わるスコープ3のGHG排出量について情報を収集してきた。昨年度には産業部会、国際部会、環境部会の合同でサステナビリティ委員会を立ち上げており、各国から提供された情報の分析などを開始したところだ」と説明した。物流改革については、「本日の会員集会で、昨年立ち上げたYBM会議の活動として、バルクローリーと包装品の物流に関する安全確認期間について報告した。改正物流効率化法の施行に対応するため、物流の現場が抱える課題に引き続き向き合っていく」とした。
植物油の普及、啓発活動の強化にも取り組んでおり、11月10日には京都で調理・試食イベントの開催を予定している。
〈消費税減税は家庭用・業務用の変化を見極めニーズ対応、価格改定に懸命に取り組み〉
質疑応答では、飲食料品の消費税率が4月から2年間、1%となった際の影響について問われた。「一般論として、家庭用は減税が生活者の負担軽減につながり、購買を後押しすることで一定の追い風になると考えている。ただし、物価高による生活防衛意識は依然として根強い。減税直前の買い控えや減税直後の需要集中といった一時的な動きも想定されるが、その後の需要は消費マインド次第と受け止めている。2~3月に向けた流通各社それぞれの動きもあると考えられる。そうした動向も視野に入れながら準備を進めていく必要がある」と述べた。
業務用については、「税率差が広がることになるため、外食に厳しい影響が出るとみられている。ただ、油の視点から見ると、スーパーの総菜や弁当などテイクアウトに需要が移る面もある。全体で見た時でどうなるか判断していく必要がある」とした。その上で、「安定供給をしっかりと果たしていくことが第一で、家庭用、業務用それぞれの変化を見極めながら、健康やおいしさといった植物油の価値をしっかりと届け、生活者ニーズに応えていきたい」と語った。
サイバー攻撃による影響について、「システム面での備えは継続的に行っていかなければならない。植物油の安定供給という観点からは、まずはBCP対策をしっかりと打ち立てることを最優先に取り組む必要がある」と述べた。
植物油業界にとって今年最も大きな問題を問われると、「一つになかなか絞れないというのが、今年の特徴だ。中東情勢の緊迫化、ホルムズ海峡の問題の直接的な影響としては、搾油時に使用する加工助剤を手当できるのか、容器包材が安定的に供給を受けられるかについてかなり心配した。行政にも尽力してもらったが、決して解決したわけではない」と振り返った。
加えて、「昨年から続いている油脂価格の上昇がある。特に年明け以降、EPA(米国環境保護庁)がバイオ燃料の混合義務量の引き上げを発表して以降、一段と油脂価格が上昇し、需要もそれに伴って増加した。インドネシアのパーム油も輸出よりも国内需要が上回ったことが象徴的な出来事だった。それに伴って原料価格が上昇し、われわれも価格改定に、一所懸命に取り組んできた」と話した。
〈大豆油糧日報2026年10月26日付〉







