〈重要な味覚と噛む教育〉
――味覚とよく噛むことについては


長島=味覚については、子ども達に「食」への興味をもたせ、五感を使って食べることで「食べ物」にしっかり向かい合わせることが必要と考えています。

乳幼児期から強い味に出合せない、食材の新鮮な素材の味に出会い、旬の味覚を味わわせることなどが大切です。学校給食では、旬の食材を使った、素材の分かる料理を提供するように工夫しています。

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調理実習等の場面では、匂い・歯ごたえ・音・色彩・味など五感を使った食材体験をさせています。食材との幅広い出会いを通して、食べ物としっかり向き合わせる体験活動が必要と思います。また、良く噛むことについては、学校給食を通し、日常の食事の大切さが分かり、健康によい食事のとり方が身につくよう指導しています。

「カミカミメニュー」といった形で、歯ごたえのある食材を組み合わせた献立が登場します。また、健康な歯の指導は、保健学習とも連携して行うなどにも力を入れている学校がたくさんあります。

――感謝の心を育むことについて

長島=学校給食を通して、食事は多くの人々が心を込めて作ったものであることを知らせていくことは重要です。生産者・加工業者・流通の人・調理現場など、様々な人々の苦労や働きによって給食が届いていることを知ることで、感謝の気持ちをもって食事ができるようになります。

また、農作業などの体験を通して、自然の恵みや勤労の大切さ、大変さを身につけさせていくことも重要です。なぜ「いただきます」「ごちそうさま」なのか、意味を知る食育の時間もあり、学校給食を教材にして行われているところです。

――少子高齢化と学校給食の役割について

長島=
生涯にわたって国民の健康を支える身体作りの基礎として、学校給食はますます重要だと考えています。すべての小・中学校で、行われるよう、特に中学校給食の推進拡大を願っています。

〈学校給食は家庭の台所と直結〉
――学校給食と家庭との連携について


長島=学校給食は、成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のために、栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することと合わせて食育の重要な教材としての役割も持っています。その中で、地場産物を活用し、地域の郷土食や行事食を提供し、地域の食文化や伝統を伝えようとしています。

学校給食は、特別な料理ではなくて地域に根ざした家庭料理が基本であり、家庭の台所と直結したものであることが理想です。まずは子どもたちが理解したところで、保護者を変えていかないとスムーズにいきません。「給食だより」「食育通信」などによる啓発活動、試食会や食育研修会、料理教室などの体験活動により、学校給食献立の紹介や普及を図って国民の健康増進に寄与できるよう頑張りたいと思います。
学校給食用食品メーカー協会 大沼一彦会長

学校給食用食品メーカー協会 大沼一彦会長

大沼=メーカー企業の社長として考えた場合、1人ひとりの仕事のモチベーションが上がることが大事ですが、そこで1番重要なのは家庭です。ある意味、仕事は家庭を守るための手段。1人ひとりは家が城であり、働き方改革が叫ばれています。両親が子どもと一緒に食事をできるかは、会社にとっても力を発揮してくれる重要な要素です。

学校給食用食品メーカー協会 清水誠三副会長

学校給食用食品メーカー協会 清水誠三副会長

清水=メーカー各社は食育に貢献したいと思っています。栄養教諭の授業時間を使ってお手伝いできればと願っています。

長島=栄養教諭が窓口になって連携できればよいと思います。

清水=メーカーの食品とリンクさせていただければ、当協会にもつながります。

――学校給食の無償化と高校給食について

長島=現在の学校給食は、学校給食法に基づき、「義務教育諸学校において、その児童生徒に対して実施される」とされています。ただ、夜間定時制高等学校については勤労青年教育の重要性から、関連法律で実施するように定められています。現在、食事を通して自己管理できるよう小・中学生には指導していることから、それを継続して生涯につなげていくためにも、バランスのとれた安全な学校給食を高校生になっても食べられることは理想だと考えています。

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