豆腐・納豆コスト指標公開、充填64.6円・カット86.1円・納豆109.6円【豆納協議会】

豆腐・納豆コスト指標
豆腐・納豆コスト指標

豆腐・納豆コスト指標作成協議会は10月30日、公式ホームページで、食料システム法に基づく豆腐と納豆のコスト指標を初めて公開した(資料面参照)。製造、卸売、小売の3段階の26年8月時点の合計コスト(税込)は、充填豆腐が64.6円/300g(25年度61.2円)、カット豆腐は86.1円/300g(同81.6円)、納豆は109.6円/50g×3P(同103.8円)となった。同コストは25年度の基準値を政府統計で補正したもの。3品目とも25年度よりも上昇しているが、製造段階のコストでは、特に「包装材料費」がいずれも10%を超える上昇率となっている。

同コスト指標は、豆腐と納豆の製造から販売までの各段階で発生する費用を客観的に示すもので、利潤は含まない(グラフ)。取引における価格を約束するものではなく、あくまでも価格交渉を進めるための参照指標として活用される。また、原材料などの上昇で大きな変動があった際には、価格交渉を開始するきっかけとして利用されることも想定する。

個別企業の価格や利益を示すものではないため、「実際の取引価格は、商品の品質やブランド価値、需給状況などを踏まえ、当事者間の協議によって決定される」(同協議会)。

消費者にも、豆腐・納豆が店頭に並ぶまでに発生する費用を分かりやすく伝えられる利点もある。サプライチェーン全体のコスト構造への理解が深まることで、持続可能な食料供給や合理的な費用を考慮した価格形成についての理解促進につながることが期待されている。

同協議会は6月12日、日本豆腐協会(日豆協)、全国豆腐連合会(全豆連)、全国納豆協同組合連合会(納豆連)を中心に、食料システム法に基づくコスト作成団体として認定された。食料システム法では、食料全般の取引を対象として、価格改定などの協議の申出に対し、誠実に応じる努力義務が課されている。きちんと果たされているかの判断基準に基づき、指導や助言などが行われる。

○協力メーカーは約2割で「一定程度の実態表す」、更新は年1回10月に予定

同日、オンラインで記者ブリーフィングが行われ、豆腐・納豆コスト指標作成協議会の長谷川健太郎会長(納豆連会長)、事務局を務める流通経済研究所の折笠俊輔常務理事、農水省の担当者らが説明を行った。その中で、今回のコスト指標作成に協力したメーカーは、充填豆腐14社、カット豆腐23社、納豆17社と明かした。カバー率はいずれのカテゴリでも約2割だといい、「一定程度の実態を表している」(折笠常務理事)と評価した。

また、消費者に対しても同コスト指標の周知を目指す中で、年内に動画を作成し、来年1月をめどに公開を予定しているという。今回算出された納豆のコスト指標は109.6円だが、店頭ではそれを下回る価格で販売されるケースもみられる。コスト指標は最低価格を決めるという位置づけではないが、納豆業界では、コストに見合った適正価格での販売が目指されている。同コスト指標が店頭価格上昇につながる期待はあるかという質問に長谷川会長は、「全ての業者ではないが、なかなか値上げができずに苦しんでいるところもある。今すぐに変わるということにはならないと思うが、これを契機にそういった流れにしていきたい」と述べた。

コスト指標の更新について折笠常務理事は、「最低でも4年に1回は納豆と豆腐メーカーに実際の数字を聞いた上で、年によっては政府統計による補正になると思うが、基本的には年1回、10月のタイミングで更新していくことを予定している」と見通しを述べた。

〈大豆油糧日報2026年11月2日付〉

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